ディスクには、同じところに環状の擦り傷がつく。
これは、どのディスクでも同じである。
とすれば、レンズ周りが犯人である可能性が薄まる。
レンズ位置は、ディスクの読み取る場所によって移動するからだ。
ここでハタと思いつく。
レンズ部を動かしてみたらどうだろう。
本当はこんなことはしてはいけない。
ステッピングモータをはじめとする稼働部にダメージを与える可能性がある。
それを承知でやっていることをお断りしておく。
レンズ部を、レンズに触れないようにつまみ、スライドさせる。
すると、ピックアップレンズと内部基盤を結ぶリボンケーブルが見える。
リボンケーブルは、稼働部であるレンズ部と基盤をスムースに結ぶため、レンズ部の位置に応じてたわむようになっている。
へへえ、こんなふうになっていたか、と妙に感心しつつ、しばらくレンズ部を前後させ、変なところがないか確認する。
これといって怪しい部分はないなあ、と諦めかけたときである。
レンズ部をある位置に持っていくと、リボンケーブルのたわみが異様に大きいことに気付いた。
もしかして?真横に近いところから眺めてみる。
するとどうだ、ケーブルが丸く膨らんで飛び出た部分が明らかにディスク面より高いではないか。
しかも、ケーブルがたわんだ部分の上端は黒く変色している。
そうだ、こいつが犯人だったのだ。
そうとわかれば話は早い、こいつが必要以上に膨らんでこなければいいわけだな。
で、どうやってふくらまないようにする?
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