準急のブルース

(タイトルと内容に直接の関係はありません)
私が通勤に使う東急田園都市線が、ダイヤ改正し、朝の急行をすべて準急にするという。聞けば、ラッシュ対策、遅延対策だということで、平日の8時台にターミナル駅である渋谷に到着する列車のみ、各駅停車になるということだ(正確には、二子玉川より先の地下区間のみ、各駅停車になる)。もっとも混雑する区間を各駅停車のみにして、急行への集中を防ごうというわけらしい。聞けばごもっともな話で、朝の急行の混雑度といえば、下手すれば体が宙に浮くのだ。窓ガラスが割れたり、骨折を起こしたり、なんでそこまでという混雑が乗客を襲うのだ。ちなみに私は各駅停車にしか乗らない。

過度の混雑から来るトラブル・事故、列車運行の遅延を解決したいという鉄道会社側の思惑は別として、別のことを考えてみたい。

忙しい朝、少しでも早く目的地に着きたいと思う人が急行を利用するのだろう。それは選択の自由で、その結果として過激な混雑が待っていたとしても、その人の問題である。また、同様の目的を持って急行を利用する人たちにとっても、お互い様の話である。イヤだったら、急行など乗らなければいいのである。その選択の機会が、今回奪われてしまったということは、おそらく意見として出てくるだろう。

また、仕事の事情などでもっとも混雑する時間帯を通勤に使わざるを得ず、それでも混雑はイヤなので各駅停車をあえて選ぶという人もいるだろう(私がそのパターンだ)。混雑度が均一化されてしまえば、列車を選ぶ必然性は消え失せる。少しでも快適に、いう選択の機会が奪われてしまう。これもおそらく意見として出てくるだろう。

こういった個人の事情よりは全体がうまく行く方を選んだ、ということだろうか。それはそれで決まったこととして、どういう風になるか観察してみたい。個人的には、何が何でも東京へ行かなきゃダメ、混雑するのは平日の朝晩だけ、昼間と休日はスッカラカン、といったいびつな運行が起きる構造に何か問題があると思っているのだが…(私もその一面を作っているのだが)。

それにしても、田園都市線には快速という種別が昔はあった。快速は、二子玉川園(当時)と渋谷を結ぶ地下区間のみは各駅停車という、今の準急と同じである。あまり意味がないということで廃止されたが、まったく逆のニーズで復活するとは、皮肉なものである。

コメント