煙たい話で炎上覚悟―飲食店の喫煙問題

少し前に、こんなタイトルで喫煙に関するいくつか記事を書いたのだが、ふとしたことからこんなサイトを見つけた。「ピエール松尾」氏というワイン・グルメ愛好家という方(失礼だが私は存じ上げなかった)の「♪ Foundation – ワイン&グルメの基本」というサイトである。施設の実名を出して糾弾したり、文章表現は極端かつきついのであるが、おおかた同意できる内容のサイトである。もし、喫煙の害というものにいくばしかの関心があるならば、喫煙者、非喫煙者を問わず、読んでおいても損はないと思われる。

リンク: ♪ Foundation – ワイン&グルメの基本

こういったサイトから情報を得る場合には、引いた目線で見る、情報の取捨選択を行う、違った切り口からの見方を検討する、別の情報ソースを調べてみる、などのアクションが必要になるが、そういったことのきっかけになるだけでもよいのではないだろうか?特に、「たばこ規制枠組み条約」の存在というのは、意外と知らない人も多いのではないだろうか?(かくいう私も恥ずかしながら存在を知らなかった)。こういったものが本当にあるかと言えば、次の外務省のサイトに行けば確認できる。

リンク: たばこ規制枠組条約

欧米諸国をはじめとして、日本ももちろん批准している。だが、諸外国と比べると、ずいぶんと日本での規制状況(健康増進法?)は甘いのではないだろうか、と思う(甘い理由もサイトに書かれているが、私自身は感覚的にそう思うところはあっても、実際にどうなのかは勉強不足である)。驚くのは、欧米諸国が公共の場での喫煙をほとんど禁止し、罰則まで設けている場合もあるのに対し、日本では法令レベルの罰則などはほとんどなく、また公共の場での禁煙も野放しになっているケースが多いという点だ。

歩行喫煙を条例で禁止している東京都港区も、繁華街である六本木交差点になぜか喫煙コーナーを設けて、交差点で信号待ちをする人を煙であぶるという、理解不可能なことが起きている。おそらく、歩行喫煙をさせないために吸える場所を限定するという意図があるのだろうが、よりによって交差点の角という便のいい場所に場所を構えるのは理解に苦しむ。「歩行」していなければいいのだという曲解で、「煙」そのものが害なのだという認識がない。便がよければそこで吸ってくれるだろうというのは甘く、たいていは吸いながら歩いてきてそこで火を消し捨てる、あるいはそこで吸い始めてそのまま歩き出す、といったパターンである。問題の解決にはなっていない。

今回の記事の冒頭で紹介したサイトの主張は、著者の属性から主に飲食店を意識したものになっているが、個人的に新しい点は、飲食店の従業員にとっては職場でもあり、職場を禁煙にして従業員の健康を確保することは、経営者の義務と言い切っている点である。今まで、飲食店では二種類のお客の視点で語られることの多かった喫煙問題を、従業員の職場という点で切っていることが大きい。恥ずかしながら、こういった視点を私は持ち合わせておらず、喫煙者に便宜を図る失礼な従業員、飲食店、といった視点でしか見ていなかった。

また、歩行喫煙や飲食店での喫煙というのをマナー問題として見ていない点もある。なぜマナー問題と見ていないのかは、このサイトの記事を読んでもらえればわかるのだが…。私にはそこまでの勇気はないのだ。

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