今年のゴールデンウィークは、横浜地方ではあいにくの天気であった。日は差さないし雨もぱらつくわで家にこもって隠遁生活をしていたのだが、最終日(6日)は日が差して気温も上がり、出歩きの虫も騒いで久しぶりにカメラ片手に出掛けたのであった。ちょっとした散歩コースということで、横浜市青葉区元石川町の保木農業専用地区に出向いたのであった。
地図で見るとこのへんである。緑色になっていないのは、公園でないからである。覚永寺を中心としたこのあたりは実に不思議な場所で、開発された住宅地の真ん中に農地や林が残っている。農業専業地区なので宅地としての開発が進んでいないのだが、中央をぶち抜くはずの道路も行き止まりのまま放置されているし、曰くがいろいろありそうな場所だ。だ私にとってはありがたい場所である。このへんのことは調べるといろいろ出てくるので、「ローカルネタ」として別途書きたいと思っている。
横浜市の、農業専業地区についての説明は以下のとおり。
さて、いつもどおり花を撮ろうかと思っていたら、意外と昆虫類が多いのに気付いて、虫好きの私としてはそっちがメインになってしまった。今の季節は、小さな虫たちが一斉に出てきている、という感じで楽しめる。
最初は、ガ(蛾)である。ガの仲間は非常に多彩で、見つけたものから片っ端分類していくと、とてもさばききれない。比較的見てくれのよいものを紹介すると、これはホソオビヒゲナガである。翅に細い帯があり、長いヒゲ。これでこういう名前である。メスはヒゲの付け根の方が太くなっていて区別できるらしい。
ハムシの仲間。ハムシというのは、小さな甲虫である。どこにでもいるが、なかなかバリエーションがあって楽しい。これを4種類紹介したい。
最初はヤマイモハムシという、文字どおりヤマイモの葉が好きなハムシである。胸より上が赤いのですぐにわかる。
次は、ジンガサカメノコハムシという、亀の甲羅のような形をしたハムシである。翅の端が透き通っており、体は金色に輝く綺麗な虫である。ジンガサとはよく名付けたものだ。
お次はクワハムシという、文字どおり桑の葉が好きなハムシだ。このあたりは桑の木が多い。
ハムシの最後はアカガネサルハムシという、赤と緑が輝くきれいなハムシである。
クシコメツキ。コメツキムシの仲間だが、コメツキムシとタマムシは仲間だとご存じだろうか?言われてみれば、形が似ている。
ツマグロオオヨコバイ。セミの仲間である。どこにでもいるが、端っこが黒い翅と、背中の模様で簡単に見分けられる。
ホシハラビロヘリカメムシという長い名前のカメムシ。虫の名前に無駄な部分はない。星は翅の黒い点、腹の部分が広く、ヘリが出っ張っているカメムシ。ありふれた種類かと思ったら、実はそうでもないらしい。
この記事の最後は、ゴマダラチョウではないかと思われる蝶の羽化直後の写真である。ノイバラの花を撮ろうとして偶然発見してしまったのだが、オレンジの複眼と口、白いマダラのある足など、ゴマダラチョウの特徴は備えているような気がする。よく見れば、翅にもうっすらとまだら模様が透けて見える。上はサナギ(抜け殻)で、下は側にいた成虫である。
ゴマダラチョウの幼虫は、エノキの樹で育つということだ。そういえば、このへんはエノキの樹も多い。
2012/7/15追記:これはアカボシゴマダラという南方種で、中華人民共和国から持ち込まれたと思われる種が神奈川県を中心に増えているそうだ。
ちょっと歩けばいろいろな虫たちに会える、ここを道路を通してつぶしてしまうのは、ちょっともったいないような気がする。
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