このシリーズもいいかげん最終回にしないと。というわけで、今回は生田緑地の中の「日本民家園」の中を歩いてみたい。前回は、ここまで来たのであった。ここは、「日本民家園」の西門である。ほかに、「奥の門」「正門」がある。正門は、東口駐車場の近く、奥の門は、「奥の池」の近くにある。どこからでも出入りできる。
撮影:キヤノンEOS 40D+タムロンA20E
実は、「日本民家園」は有料なのである。大人だと、500円取られる。ちょっと高いのではないかい?と思うのだが、設備の良好な保存のためにはやむなしというところか。ちなみに、小学生と川崎市在住の65歳以上の老人は無料だ。ただ、年間パスポートもあり、それなら1,000円。2回で元が取れる。なかなか微妙な回数だ。さらに言えば、東急系か小田急系のクレジットカードがあれば、100円割引である。私は東急系カードを持っているので、400円となった。少し得した。
日本民家園に入ったのは、ここでお昼を採るのも目的だ。生田緑地には、東口近くの軽食堂と、日本民家園内の日本そば屋がある。軽食堂の方は、価格の割にはあまり満足度が高くないし、店も狭く混むので、民家園の方に行こうというわけだ。このそば屋は、世界遺産である白川郷(白川村)にあった合掌造りの民家を移築し店舗に改造したもので、見た目からして趣がある。店の名前は、そのまま「白川郷」である。
二階部分も、趣深い。なお、二階はさまざまな「古いもの」が展示されていて、一般公開されている。食事のあと、見学するのもよいかも。
食券を購入し、中へ。控えめなお店の表示。端っこに後ろ姿だけ移っているご老人は、最初縁台でくつろいでいたのだが、お店の人(おばあさん)がお茶を出したり、食事の打診をしたりとやたらと気を遣うので何事かと思えば、どうやらこのお店の関係者のようだった。お店を出るときに、「ありがとうございました。」と声を掛けられた。
店内(というか宅内)は、このように趣がある(こればっかりだ)。ちなみに、19世紀の家と言うから、1800年代である。もはや、100年以上にわたって生き続けているわけだ。
注文したのは、私が「冷やし山菜蕎麦」、息子が「冷やしたぬき蕎麦」である。これは、「冷やし山菜蕎麦」。値段は、650円(くらい?)。たぬきの方は、これに揚げ玉が載っているような感じで、やはり山菜入りだったが、30円の差がここに出ているのだろうか?蕎麦はあっさり、つゆは濃いめで、まぁまぁである。
おなかが膨れたら、いろいろ中を見て回ろう。
ハナショウブ。
スズラン。これでも毒草である。
水車小屋。実際に水が流れていて、車が回転している。中も動いているので、キチンと歯車を噛み合わせれば、臼で蕎麦など挽ける。
ここにも、オカタツナミソウ。
旧原家。この立派な邸宅は、明治24年から大正2年にかけて、22年もの歳月を費やして完成したということだ。元の場所は、同じ川崎市の中原区。
中には、立派な甲飾りが…(ちょっと傾いてしまったが…)。外国人にもわかりやすい、親切な説明付きである。実際、外国人の見学は多い。
立派な飾りの付いた戸袋である。この復元だけで、大工10人がかりだったとか…。
明治、大正の建築は、このような装飾に凝ることが多いと思われる。昭和に入っては、至ってシンプルなものが好まれるようになった。なお、これは玄関である。
旧北村家の庭には鯉のぼりがあげられていたそうだが、時間切れで下ろされていた。残念である。でも、仲良く川の字?で寝ている。
同じく旧北村家にて。立派な武者人形である。いかにも旧家、という感じだ。
駆け足で廻ったので、あまり写真は撮れなかった。本気で回れば、半日かかる。ここに寄るときには、ついでに、などと思わずに、見尽くす、という気持ちで回った方がよいだろう。
コメント
白川郷の家、ロマンを感じます。いつか白川郷に行くのが夢の1つです。
古い古民家をお食事する処として利用したりするのがブームですね。少し前に、すごい旧家で広大な庭もあるという家を使ったお蕎麦屋さんに行きました。確かに家の中は素敵にしてありましたが、大きな窓から丸見えの庭は荒れ放題。木の枝や草は伸び放題だし、落ち葉も厚みがあるくらいに溜まっていて、かなり幻滅でした。私のように庭にうるさい者は二度と行かないでしょう(笑)。
野の花さん、
白川郷、白神山地と並んで私も行ってみたいところですが、観光客が多く、あまり落ち着けないとも聞きます。今頃は、どうなんでしょう。
古民家を飲食店に、と言えば、この生田緑地に隣接していた「向ヶ丘遊園」という遊園地の山の上に、やっぱりこういう蕎麦屋があってよく利用したものでした。今は、遊園地自体がありません。
こういう家って、庭もポイントですよね。幸い、日本民家園の各民家の庭は、いつもきれいに整えられていて、気持ちがよいです。その分の入園料だと思えば、しようがないとも言えます。