お盆休み最期の日、今日はのたのたと家庭内の雑事を片付けようと、車を出した。来る伊豆旅行に備えて車の中の余剰な荷物をトランクルームに移動するのと、新学期に備えての息子の学校関係の道具を揃えたりするのが目的だ。世間ではお盆休みの最中ということもあり、交通量はいつもの休日にしては少なめであった。
事故は、トランクルームに向かう県道沿いで起きた。その県道は片側二車線で、私はいつもはこの道の右側車線を走行しているのだが、トランクルームに向かうには途中で左折する必要があるので、この日は機を見て左車線に移らねばと考えていた。たまたま、左車線の車が途切れて、横を走るワゴン車だけになったので、その後に付こうと、左にウインカーを出して少々減速し、その車の後に付いた。
しばらくすると、前方に脇道への出入り口が見えて、県道に出ようとして待っている車が二台ほど発見できた。前を走るワゴン車、そのまま通過。続けて、私の車が通過、となるところだったが、何と脇道にいて待っていたはずの車がすーっと目の前に出てきた。とても、二台の間に入り込めるような速度やタイミングではない。おそらく、私の車が左車線に移ってきたのに気付かず、車両は一台だけと見てそのまま出てきたのだろう。
ちなみに、イエローラインもない普通の県道で車速制限も50~60km/hという道なので、車速もそこそこにありレーンチェンジも頻繁に起きる。なので、脇道から県道に出てこようとする車は、県道を走る車の状況によく注意しなければならない。たいていの場合には、近くの信号機が赤になるなどして、車が途切れてから出ることになる。
脇道から車がするっと出てきたと思い、あわやそれに突っ込むかと思ったやいなや(急ブレーキでは絶対に間に合わない)、クラクションを鳴らして相手の動作を止めて、とっさに右車線に車がいないことを確認して車両を右に移動させ、何とか相手の車に正面からぶつかるような事態は回避できた(右車線が空いていたのはラッキーであった)。左のサイドミラーを見ると、それでも相手の車が前方に出ようとしているのがスローモーションのように見える(要するに止まろうとしていなかったのだ)。でも何とかエスケープできたかと思いきや、車の後部に軽い衝撃があった。
これはやられた、と思い、ハザードランプを点けて車を端に寄せる。ぶつかった車も、ちょっと離れた後方にハザードを点けて停車した。しかし誰も出てこない。しようがないので、後方の安全を確認して車から降り、歩道をその車の方に歩き出した。もしやこいつ、こっちが降りたのを確認してトンズラする気では?と思いナンバーを記憶しようとしたら、40歳くらいの夫婦が車から降りてきた。運転していたのは、奥さん(様子から推測される)らしい。
人が降りてきたのを見て、とりあえず車の状態を確認した。衝撃があったわりには、ボディにはこれといったダメージはないようだ。よく見ると、リヤバンパーの左サイドにちょっとこすったような線、そして左リヤタイヤのアルミホイールに何かこすったような跡があった。そう、衝撃は、リアタイヤに当てられたときのものだったのだ。
相手の車を見ると、ぶつかったと思われるフロントバンパーに相当ハデなこすり傷がある。相手のご主人に尋ねると、こっちではなく反対側だという。要するに、私が最初に見た左フロントの傷は過去のもので、今回のものは右フロントだという。右を見ると、これまたすごいこすり傷で、私の車のダメージとはまったく違う(よく見ると傷だらけ)。要は、こちらは運良くボディにはぶつからず、アルミホイールに相手の車のフロントバンパーが削られた、というワケなのだ。これはこちらにとっては、不幸中の幸いと言わざるを得ない。
当事者の奥さんはまったく口をきかずに黙っているので(多分、余計な口はきくなと諭されているはず。車の様子から事故慣れしている?)、ご主人に「もしかして脇道に左折するかと思いましたか?」と紳士的に尋ねてみた。左折するにしても、速度的にはそうは思えないはずなので、可能性として聞いてみただけなのだが、「そんなことはないはず」と言う。ということは、やっぱり私の車を見落としていた可能性が高い。
さて、こういうときに考えなければならないのは、「警察沙汰」にするか?ということなのだ。「事故」にしてもらえば、状況の検分を警察官にきちんとやってもらえる(はずだ)し、費用がかかれば保険屋の介入もさせられるし、もし車にその場ではわからなかったダメージがあったとしても、対応してもらえる可能性がある。もちろん、お互いに走行中の話なので、どちらかが一方的に加害者になるわけでもないし、警察の判断で比率が決まるだろう。
この先は、あえて書かないのだ。読んでくれた人の想像力にお任せしたい。
コメント
この二人、
実は夫婦ではなく、
女性はもう数え切れないほど路上試験に
落ちている生徒さんで、
男性はもう十数年来指導している先生。
車の傷はその勲章。
傷のひとつひとつに二人の想い出が…
7さん、
そこまで想像できるとはたいしたものです。
でもまぁ、あとから読み返すと、コメントのしようのない記事ですねぇ…。