「出鱈目」の意味をご存じだろうか。もちろん、いい加減なこと、という意味である。では、「出鱈目」の漢字の意味は?これは当て字で、「出たら目」が正解だそうだ(なので「鱈」には罪はないのである)。語源は、江戸時代の発祥で、サイコロの「目」が出たままに任せる、すなわち適当、といったことらしい。今まさに、「出たら目」を目の当たりにすることが連続している。
先日、日本郵政の(元)西川善文社長が辞任を表明した。で、その後釜となる人事ということで、元大蔵次官の齋藤次郎氏が起用されるという。この件には、おかしな話がいくつも見つかる。
ひとつめは、「脱官僚」という掛け声はどこに行ったのか、ということだ。現政権は、「脱官僚」「政治主導」をスローガンに誕生したはず。ところが、齋藤氏は元「大蔵次官」という官僚中の官僚である。OBとは言え、元官僚を起用するということは、掛け声に反しないか。
ふたつめは、「渡り禁止」はどこに行ったのか?ということだ。齋藤氏は、現在「東京金融取引所」の社長である。つまり、旧大蔵省から天下り、今度は日本郵政の社長に就くという。これこそ、「渡り」の究極のコースではないか?そもそも、「渡り」の撲滅を強く主張していたのは現政権のはず。
みっつめは、西川元社長の辞めさせ方である。辞意を表明したとは言え、実際は辞めさせたに等しい。日本郵政の発足時には、三井住友銀行から三顧の礼で迎えられた。万全な仕事ぶりとは言えなかったかも知れないが、民間の流儀を日本郵政に持ち込み、不良資産の整理など徐々に進んでいるとこであった。そこに、例の「オリックス疑惑」である。これが果たして本当の「疑惑」だったのかも疑わしい。本当に不正があったのかの証拠もない。だが結局辞任に追い込み、犯罪者同然で追い出すような形を採った。それで、自分たちに気に入る人間を後釜に据える、これは日本人のやり方なのだろうか?
よっつめは、後継人事の決め方である。日本郵政は委員会設置会社であり、社長職は委員会の協議によって決められる。それを、政府の一閣僚の指名で決まるのはおかしい。いくら政府が株式を全部保有しているからといって、好き勝手できるわけではない。果たして、齋藤氏が日本郵政新社長に相応しいか、客観的に示すことも何もしていない。要は、自分たちが好きな人間を据えたい、それしか見えてこない。
もう、これ以上書く気もしない。挙げれば、まだまだいくらでもある。齋藤氏は、細川政権で小沢氏と組んで福祉目的税を掲げて失敗している。そのリベンジというわけだろうか、どうもきな臭い感じがするのは私だけではあるまい。郵便貯金をしている人は、そのお金が変に使われないうちに、解約してしまった方がよさそうな話だ。
そういえば、齋藤氏の記者会見も、まったく誠意の見られないものだった。何が「ノーコメント」だろうか。いやしくも、旧公社のトップに収まろうという人間、謙虚に説明するぐらいの心構えは見せてほしいと思った。
コメント
この件に関しては
マスコミも一応取り上げてはいるが、
案の定、深く追求しないというか…。
他のつまらないスキャンダルなんかは必要以上に
追求するのに、マスゴミ。
「郵政民営化」自体は都市部に住んでる身として、
郵便局(窓口)の対応は良くなったと思いますが、
地方のサービスは低下してるという。
困難なのかもしれないけど、どちらも両立させる為努力するのが
民間では当たり前なんですけど(苦笑
[E:nosmoking] 鳩山由紀夫がいかにごまかしの言い訳をしても、斎藤次郎は明らかに天下り・渡りである。
天下り・渡りを問題にしてきた民主党が自ら天下り・渡りをさせるわけであるから、鳩山由紀夫は責任を取るべきである。
民主党は異様な特異体質であり、亀井静香や千葉景子などのアキレス腱が多い。
鳩山・亀井・斉藤の社会主義国営の郵便局は決して使わず、その代わりにコンビニ、ヤマト運輸、銀行及び証券会社等を利用しよう。
そして、官営郵政を衰退させて、預金が国債の購入に使われないようにしたい。
7さん、
「マスゴミ」とはうまいことを言いますね。確かに、持ち上げ、こき下ろし、好き勝手し放題、無責任と、今はいいところはないですね。
民営化の本意は、膨大な預金高や掛け金を、国債や財投ではなく民間に流通させて健全に運用しようというところにあったはず。
良いように、地方切り捨て、なんて話にすり替えられてますがな。宅急便を見てご覧なさい、料金はものの大きさと重さとサービス内容で決まるものですぜ。
コンビニに着目したのは偉い。