まさか二作目が出るとは思っていなかったのですが、あのお風呂漫画「テルマエ・ロマエ」の第2巻です。第1巻では、主人公の浴場技師ルシウスが妻に逃げられてしまったところまで描かれていましたが、果たしてその後よりを戻すことはできたのでしょうか?
私はお風呂好きなので、お風呂に入りながら本を読むのですが、まさしくそれに相応しい作品と言えましょう。何しろ、こっちもお風呂に入っているのですから、臨場感バッチリです。テーマとなっていることを体験しながら読めるコミックスというのも、なかなか存在しないと思います。サッカーしながら「キャプテン翼」を読めますかねぇ?(屁理屈)
ところで、第1巻について書いた記事は、こっちを読んで下さいませ。
さて今回、要注意です。それは、う~ん、何と言いますか、いきなり出てくるのが男性器といいますか、これって反則じゃね?という展開です。私はてっきり、ルシウスが妻に逃げられたのは仕事に没頭して家を空けてばっかりなのが理由と思っていましたが、まさかあれとは…。私くらいの年齢になりますと身につまされるような話ではありますが、まだ若そうなルシウスがまさかとは思いますが、う~む。
で、妻とは別の理由でよりを戻せないのですが、ルシウスは見事に復活しました。復活したのはいいのですが、持って行き所がないのでは?というのは余計な心配といいますか…。
第2巻を読むにあたり、心配していたのは「もうネタ切れなのでは?」ということでした。銭湯、家風呂、オンドル、露天など基本的なものをやってしまったら、あとは何があるんだろうということで。ですが日本の風呂文化は奥が深い、まだまだネタになりそうなものはたくさんあったわけです。
今回、かなり社会的な要素が入ってきます。皇帝の跡継ぎ問題とか、ローマの風呂組合の問題とか。日本の風呂文化の良さを取り入れて成功を手にしてきたルシウスですが、それが裏目に出ることにもなります。結局は、日本の風呂文化のおかげでそれさえも克服するのですが…。
今回の作品で一番好きなのは、やはり入浴マナーを知らない者たちがマナーを教えられ、湊一緒に入浴を堪能するに至る一連でしょうか。最初、私は、話を読んでいてお隣の国の方々のことを真っ先に連想して、まったくあいつら日本に来て温泉に入るのもいいけどもう少し入り方が何とかならんのかよ?と苦々しく思っていたのですが、彼らも日本流の入り方を知らないだけなのだな、と思い至りました。
入り方を知らないなら、知ってから来い!と言うのは簡単ですが、現地にものがない以上、知るのは容易でないとも思います。ならば、流儀を知っている我々で、しっかりと教えることも必要かと。それで皆が楽しく入浴を楽しめるなら言うことはないではありませんか。作品中では、荒くれどもが皆マナーを知って楽しくやっていましたが、問題は聞く耳があるかですね(苦笑)。
ちょっと逸れましたが、第2巻の終わりかたは、第1巻に比べると平穏でないものです。ルシウス技師の身に何かが起きなければいいのですが…。成功を次々と手にして、市民生活にも大きな影響を与えるようになると、自ずとそれに対する勢力が現れるものです。
このへんは、第3巻で楽しめるのでしょう、ヤマザキマリさん、期待しております。
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