横浜市営地下鉄が新百合ヶ丘まで延伸するとか?

前からこの話はあるんだよな。あざみ野まで延伸するときに、これが新百合ヶ丘で行くという話はあった。しかし市が変わるし、簡単じゃないんじゃないの?とかいうことで立ち消えになったような気が…。

7月29日の日本経済新聞朝刊35面「神奈川・首都圏経済」によると、

横浜市は市営地下鉄延伸の事業化に向けて8月末から路線検討や地質などの基礎調査を始める。

とある。2014年度の予算に調査費として3,000万円を盛り込むそうな。横浜市の財政規模から言うと、けして大きな数字ではないけど。

川崎市との交流が深まるのを期待。

横浜市と川崎市の首長は気が合うのかも知れない。得てしてそういう人たちは「交流」とかいう言葉が好きだからね。しかし交流以前に、実質的なメリットを検討して欲しいものだ。もちろん、デメリットも。

メリット。東急田園都市線と小田急線を結ぶ環状線が増えることで、経路の融通を利かせやすくなる。現在、両路線は、中央林間で接続、横浜線で長津田と町田を、南武線で(武蔵)溝の口と登戸を、それぞれ結んでいる。あざみ野と新百合ヶ丘を結ぶ経路ができることで、さらに両路線が使いやすくなる。障害時の迂回経路としても有効だ。

デメリット。これは財政面が大きいと感じる。今こそ横浜市営地下鉄は黒字路線であるが、かつては赤字路線であった。平成25年度は、経常損益がプラスの50億円ほど。これは過去最高とされている。

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しかし、累積欠損金は、平成25年度で2,300億円ほどある。かつての赤字事業も黒転し、徐々に金額は小さくなっているが、マイナスなのには変わりがない。

延伸の事業費は1,300億円〜1,500億円ほど。単独で見れば2023年〜2031年目くらいで黒転するらしいが、それまでは赤字だ。

横浜市と神奈川県の住民税はブログ主的には高額で、果たしてそれに見合った行政サービスを受けれているか?というと甚だ疑問なのである。さらに住民負担が高まる?というと、それは素直に受け入れられない気もする。

新百合ヶ丘のある川崎市では、川崎縦貫鉄道の計画が頓挫したということもある。その上で、新たに費用負担を背負い込むことになるのか、おそらくは重要な問題として検討することと思われる。

新横浜〜あざみ野間は、港北ニュータウンの開発と重なって整備されてきた。しかし、あざみ野から新百合ヶ丘のあたりにかけては、住宅地としてほぼ開発が済んでいるような状態で、川崎市の王禅寺近辺のふるさと公園を通る感じの計画のようだから、工事計画も気になるところ。

ないよりあった方がいいのは確かだが、大事なのは費用対効果だろう。この路線が本当にこれからの地域に必要なのか?しっかりと(費用を掛けずに)調査して欲しいものだ。まず延伸ありき、ではなく。

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