MacでParallels Desktopを使うユーザが、Time MachineやTime Capsuleとうまく付き合う最適解は何か?ということを探る連載。今回はいよいよ核心、SmartGuardに入る予定だったが、3回目の投稿で「仮想マシンをバックアップしない」指定にするとどうなるのか?という説明がガラッと抜けていた。
Time CapsuleとParallels Desktopの最適な関係を考察(3):バックアップさせないもっとも簡単な方法
そこで今回は(打ち合わせもあるので。汗)、「仮想マシンをバックアップしない」とどうなるのか、書いてみたい。
Time Machieへのバックアップを明示的に除外するには、上の画面のように「システム環境設定」の「Time Machine」から[オプション]を指定して、「バックアップ対象から除外する項目」にファイルなりフォルダなりを追加していくのが一般的な方法。しかし、Parallels Desktopの設定で仮想マシンをバックアップしない指定にしても、ここには現れない。
では、どのようにしてバックアップ対象から外しているのか?
OS Xには「拡張属性」という仕組みがあり、フォルダやファイルは一般的なUNIX属性(dwwwrrr—みたいな)に加えて複雑な属性を持つことができる。UNIX属性は非常にシンプルでわかりやすいが、アクセス権を細かく持たせたいなどのニーズには応えられないため、拡張属性が設けられているのだ。
拡張属性を見るにはいろいろな方法がある。まず、拡張属性があるかないかは、超基本「ls -l]コマンドで確認できる。もちろん、「ターミナル」で操作する。
MacBook-Pro-2013:Parallels nao$ ls -l total 2880 drwx--x--x@ 11 nao staff 374 12 9 12:45 CentOS 7.pvm drwx------@ 10 nao staff 340 6 22 2013 MS-DOS 6.2.pvm drwx------@ 15 nao staff 510 4 22 2014 Windows 7.pvm drwx------@ 18 nao staff 612 12 10 13:01 Windows 8.1.pvm drwx------@ 12 nao staff 408 2 10 2013 Windows 98.pvm drwx------@ 15 nao staff 510 9 20 00:55 Windows XP.pvm -rwx--x--x@ 1 nao staff 1474560 1 30 2012 winmefd.fdd MacBook-Pro-2013:Parallels nao$
左端が属性。最後がアットマーク(@)になっていれば拡張属性付きだ。仮想マシン(.pvm)のすべてに拡張属性があることがわかる。
ではこのうち、「Windows 7.pvm」の拡張属性を見るにはどうするか。mdlsコマンドを使う。
MacBook-Pro-2013:Parallels nao$ mdls Windows\ 7.pvm/ com_apple_backup_excludeItem = "com.apple.backupd" kMDItemContentCreationDate = 2012-01-16 07:55:18 +0000 kMDItemContentModificationDate = 2014-04-22 14:47:36 +0000 kMDItemContentType = "com.parallels.vm.vmpackage" kMDItemContentTypeTree = ( ………
最初の行に注目。com_apple_backup_excludeItemというエントリがあるが、これがこのファイルをバックアップから除外する属性の指定だ。この属性を持つファイルやフォルダをTime Machineが見つけても、バックアップ対象にはしない。もちろん、フォルダの場合はその以下のファイル・フォルダも対象にならない。これは、Time Machineの設定をいじれないアプリケーションが、バックアップ対象外のものを指定するのに有効な方法だ。
さて、「仮想マシンを含めない」という指定がどのような効果を生むかを、ファイルシステムレベルで検証できた。次回はいよいよSmardGuardの話である。
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