Time CapsuleとParallels Desktopの最適な関係を考察(2)

Parallels Desktopのユーザが、Time Capsuleにバックアップを行うための最適解は何なのかを探る連載。今日は、Parallels Desktopの仮想マシンの構成などを見てみる。1日目の記事はこちら。

Time CapsuleとParallels Desktopの最適な関係を考察(1):Time Machineの基本的な動きを見てみる。

下の画面は、Windows 7の仮想マシンの設定。下にサイズ表示が出ているが、この仮想マシンの大きさは21.6GBだ。仮想マシンの大きさ≠仮想マシンのHDDサイズであることに注意したい(どういうこと?)。さらに言えば、仮想マシンの大きさ≠仮想マシンファイルの大きさだ。

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言うまでもないが、OS X上では仮想マシンはファイルの形で存在している。このファイルのサイズは23.18GBである。上記の21.6GBと異なるのは、仮想マシンを圧縮する機能があるからだ。23.18GBにしろ、21.6GBにしろ、HDD上のデータや作業用のデータなどが含まれた総計となっている。下の画面で、「Windows 7.pvm」とあるのが仮想マシンのファイルだ。

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Time Machineの仕組みから言うと、仮想マシンの内容が変更されたらバックアップコピーされるので、事実上毎回毎回コピーされることになる。この仮想マシンのサイズは23.18GBあるから、毎回毎回23.18GBコピーされるのだろうか?

答えは否で、仮想マシンのファイルは「パッケージ」になっている。パッケージとは、複数のファイルやフォルダをまとめて1個のファイルであるかのように見せかける仕組みで、取り回しを容易にする。アプリケーション(.app)もパッケージだ。

パッケージの内容を見てみよう。仮想マシンファイル(.pvm)を右クリック、「パッケージの内容を表示」をクリック。たくさんのファイルから構成されていることがわかる。その中にひときわ大きなファイルがあるが、これがHDDイメージのファイルだ。23.17GBとあるように、仮想マシンファイルのほとんどを占める。

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実は、このファイルもパッケージなので、HDDイメージファイルがどのように構成されているか見ることができる。

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この中にもひときわ大きなファイルがあるが、これが最終的なHDDイメージファイルのようだ。下の方にあるWindows 98だのWindows MEなどとあるのはおそらくゴミファイルである。

さて、仮想マシンが稼働してHDDイメージファイルが更新される場合、それは当然Time Capsuleの対象になる。見てきたように、仮想マシンというのはほとんどがHDDイメージファイルだ。HDDイメージというのは仮想マシンが稼働すれば通常は更新されるので、結果的に毎回毎回23.17GBのファイルが更新されてしまう。

ここまで書いてきて何だが、Time Machineのバックアップは、パッケージ単位ではなく、あくまでもファイル単位である。なので、パッケージが巨大でも、実際にバックアップされるのはその中で更新されたファイルだけである。

これはすごく効率の悪いことだ。というか、仮想マシンのバックアップに時間がかかり、毎度毎度終了しない可能性もある。とすると、仮想マシンばかりか、そのあとにバックアップされるはずだったファイルも永久にバックアップされないことになる。

さすがにこれではまずいので、Parallels Desktopでは事実上2つの選択肢を用意している。ひとつが、仮想マシンをバックアップしないオプション。もうひとつがSmardGuardという機能を使ってHDDイメージファイルを分割する方法だ。

次回は、仮想マシンをバックアップしない設定と、SmardGuardについて見てみようかと思う。

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