電池を探せ!(1)

我が愛車は、無線式のカードキーを身につけていれば、ドアノブを握るだけの解錠、つまみを回すだけのエンジンスタート、ドアを閉めて離れるだけの施錠など、それらをキーレスでできるという優れものだ。
今では珍しくないこの便利なシステムも、とんだ落とし穴が待っていることもある。

いつものようにカードキーを身につけ、解錠し、車に乗り込む。
エンジンスタート!ここまでは問題ないだろう。
いつもはカードキーをズボンの尻ポケットに入れているが、たまたま手で持ったまま操作を行っていたので、
カードキー表面でLEDが点滅していることに気付いた。
これは作動中の印だろう、などと軽く思っていたのが間違いなのである。

おそらくは、それが最後のパワーだったのだろう。
目的地に着き、エンジンを止め、車を離れることで施錠した。
用件を済ませ、再び車に乗り込もうとする。
ん?解錠されない。
カードキーは?確かに持っている。というより、尻ポケットに入っている。
尻ポケットに入れていると、たまに反応が鈍くなることがあるので、
(脂肪が厚いからとかそういう突っ込みはなし)
取り出して直に持ってもダメ。
そういえば、さっきは点滅していたLEDが点いていないな。
これはもしや…。
バッテリー切れか!
そういえば、カードキーの説明書に、電池の寿命はだいたい1年と書いてあったことを思い出す。
最初に使ったのが一昨年の年末だから、軽く1年以上は経っている。
バッテリー切れだ。
とすると、カードキーは使えない。

ちょっと青くなったが、普通のキーも持ち歩いていることを思い出す。
そうだよ、普通にキーを使えばいいんだ。
そういえば、前にメーカーから、キーに関する注意書きがわざわざ送られてきてたもんな。
カードキーだけ持ち歩いて、いざというときにどうしようもなくなる奴が多いんだろうな。
しょーがない奴らだな、とか自分のことは棚に上げて優越感に浸る。
普通のキー(これも無線式。藁)を使って解錠し、いつもは閉まっているステアリング脇のキー差し込み口を開けて、キーを装着し、ひねってエンジンスタート!
そうだよ、前はこれが普通だったよな、とか感慨に浸りつつ、事なきを得る。

車を使うにはこれで十分だが、カードキーの便利さに慣れれば、キーのボタンを押す操作も、キーを差し込みひねる操作も、エンジンを止めて引っこ抜く操作も、車を降りてボタンを押して施錠する操作も、すべてがまどろっこしい!
ここはやはり、カードキーを復活させなければならない。
カードキーに使われている電池は、電池ケースを引っこ抜いてみればわかる。
ケースといっても、カードキーというぐらいだから、2mmの厚さもない。
ケースからこぼれた電池を見れば、う、薄い!
今になって初めて見るというのも何だが、とにかく薄い。
薄焼きせんべいより、はるかに薄いのである。
型番を見てみる。CR2012…。大きめのボタン電池である。
こういうのは、コンビニとか、電気屋に普通に売っていたよな、とたかをくくる。

しかし、行く店行く店で、CR2012という型番の電池は置いていないのである。
CR2016までは、とにかくある。
ここで、電池の型番を少し勉強する。
メーカーは、Panasonicである。ほかのメーカーでもこうかは、わからない。
20というのは、電池の直径を表す。20mmと言いことである。
12というのは、電池の厚さを表す。1.2mmと言うことである。
(たぶん)
確かに薄い。CR2016なら直径はいいが、厚さがありすぎる。
無理して装着して壊れてもなんなので、諦めてとにかくCR2012を探す。
あのド○キ○ーテにもない。

これはもしかして特種な電池で、一般には売っていないのだろうか?
とすると、ディーラー頼みか?
とすると、ディーラー価格で、特別に高く売ってもらえるに違いない。
連絡してみるしかないね。はぁ。
最後に有効なのは、物理的な手段であると思い知った話であった。

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