プリズンホテル(秋)―浅田次郎

夏に続けて読んでいる。ボリューム的には夏をしのぐが、話的には若干消化不良気味なのは否めない。登場人物も多彩であり、すべての人物の落としどころを作るには、これくらいのボリュームは必要であり、中にはちょっとはしょられたという感じの人もいるの仕方ないところか。

夏の作品にあった、読後の爽快さは今回は今ひとつというところであった。ちょっと理不尽なものを感じたり、え?これでいいの?という感じもあり、逆を読めば著者のすっぽかしを食らったという感じか。いつもいつも夏のような爽快感はないんですぜ、といったノリである。

だが、登場人物、ホテルに巣食う人たちのなりは嫌いではない。そういったところは、本作でも健在だ。特に今回、支配人の息子の慌てっぷりはエピソードだ。板長とシェフの掛け合いも見逃せない。何より、ちっちゃな子供の立ち振る舞いがやるせない。

いろいろあるが、人を信じられなくなったら読むのがいいのかも知れない。人を信じるということがどういうことか、少しでも感じられたら儲けものだ。

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