今回は、たまにはコミックもいいだろうということで、「監査役野崎修平 銀行大合併編(1)~(4)」である。
オールマン連載時のものは、1巻から12巻まですべて読んだ。なにゆえこんなものを読んでいるかというと、当時ちょっと自分の職掌に変化があったからである。ちょっと憧れる男の生き様というのもあった。少々理想主義的かつ単純という感じもしたが、今の時代にはそういった行き過ぎの理想主義がかえってバランスよいという感じもする。
「銀行大合併編」は、オールマンからビジネスジャンプに連載が移った以降のもので、だいぶ作風が変化している。オールマン時代の伏線はあまり活かされていない。ひたすら合併に焦点を当て、しかもシステム開発部門のフォーカスがかなり高くなっている。
システム開発については、私自身そういう業務に長く携わってきたので、身に詰まる話であった。とかく、会社の上層部は情報システムの重要性や中身を重視せず、理解もしていない。一昔前ならいざ知らず、今では完全に事業を行うためのインフラと化している。これを重視せず、理解もしないのはおかしい。何でも人対人の問題で片づけようとする経営層は愚鈍であり、時代遅れだ。
今では、たとえば事業を始めるために電話を引いたように、ネットワークを開設する。タウンページに情報を載せるのと同様に、Webサイトをオープンする。こういう時代だ。しかも、電話や紙と違い、融通無碍に変化する媒体が舞台だ。どう活用するのかも才能だし、どう軽く見るのも無能の顕示である。
この話は、「頭取野崎修平」に続くらしい。
読んだ方がいいのだろうか?
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