温風器リコール事件

年末にイヤというほど流れていた、松下電器製温風器の回収を呼びかけるCM。これが果たして全国的なものであったのかはわからないが、少なくとも関東一円ではひっきりなしに流れるこのCMにうんざりというか、逆に怖いものを感じた人も多いのではないだろうか?

事は、1990年代の初めに生産、販売された25機種の温風器に欠陥があり、一酸化中毒で死亡することもあり得るということで、松下電器が回収を呼びかけているというものだが、何を今になってと思う人も少なくないと思う。

というところで、こんな記事を目にした。

1/6配信、日経BPのこんな記事である。

顧客名簿処分が裏目に出た松下電器温風機リコール事件

内容は読めばわかるが、要は個人情報保護法への対応を徹底するあまり、古い顧客名簿などを捨ててしまい、今回のリコールに活用することができなかったというお話しである。

個人情報の保護というよりは、万が一情報が漏れて会社が危ない位置に追い込まれてはまずい、ということが第一に立った対処のような気がするのは私だけではないはずだ。リスク軽減といってもそれは会社へのリスクを減らすためのもので、顧客のリスクは逆に増大させてしまったという好例(?)である。

松下電器側も、古い機種で今さら使っている人もいるまい、とたかをくくっていた節もあるが、長野と山形で立て続けに死亡者が出て、経済産業省から緊急命令を食らうに至って、ようやく重い腰を上げたという感じがする。というのは、こんなことがあったとしても、表には何も出てこなかったからである。

抗議の焼身自殺

ノンフィクションライターの野田敬生氏のブログだが、にわかには信じられないようなことが書いてある。もとより、氏も最初はキワモノ扱いしていたということだから、無理のない話かも知れない。

事の真偽は個人的には判断しかねるが、この手の話は案外といくらでもあるのではないかな?と月並みに締めくくってみた。

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