ダメな人のための名言集―唐沢俊一

どういうわけか、こういうタイトルの本に弱い。
「ダメ」とか「バカ」とかタイトルに入っていると、つい気になってしまう。
で、「こんな本を買うのはどうよ?」とか思いつつ、逡巡しながらも最後には買ってしまう。
いったいなぜなのであろうか?
この本のレビューをしつつ、考えてみたいと思ったのだが…。

ダメな人のための名言集

さて、この本は文庫なのだが、もととなった単行本は海拓舎のこれだ。
「壁際の名言」が、「ダメな人のための名言集」と変わっているわけだ。
さすが幻冬舎、編集者が家に帰っていないというのも頷ける感じだ。

壁際の名言

なぜなら、「壁際の名言」では、私は絶対に手を出さなかったからである。
こうしてみると、タイトルは金、オビは銀である。
うかつに凡庸な書名を付けたり、売りのないオビを巻くことだけは避けねばなるまい。

さて肝心の中身だが、いささか期待はずれの感はある。
そもそもどういう心理状態のときに、こういう本を手に取るのか?
そう、それは、

もしかしたら俺はダメ人なのではないか?

そうだよ、そういうときに思わずこういうときに手に取ってしまうんだよ。
で、何か自分を安心させたい、元気になりたいというきっかけが欲しいのよ。
でもさ、やっぱりこういう本に出てくる人って、ダメだダメだといいながら、やっぱりすごい人も多いわけよ。
そうなると、やっぱりすごい人な訳だしさ、そういう人が言っていることをダメな俺のためにと言われても、いまいち釈然としない気持ちになるのよね。

で、却って落ち込んだりするわけだ。
そうなると救いがなくなる訳なんだけど、この本のイラスト、カバーにもあるこのイラスト、これは味があってよい。
誰が書いているのかは、本を手により最後まで読めばわかる。
(いや、最後だけ読めばわかるんだが)

カバーのイラストに惹かれて買ってしまった人もいるわけだし。
(ク、クルル曹長?)

では、また。

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