今日は風がとても強いのである。春一番は済んだはずだが、こっちが春一番「本番」という感じだ。強い西風だから、絶対に大陸の方から砂が来ているに違いない。あちこち黄色く、ざらっとしている感じだ。もっとも、最近の住宅は機密性が高いので、あまり気にならなくなったが…。
タイトルは、伊勢正三作詞・作曲の、風によるナンバーである。残念ながら、今では手に入りにくいアルバムばかりになってしまったが、私の持っているのは20年ほど前に購入した20曲入り、CD2枚入りのベスト盤「風ベストセレクション」である。
季節は、「暦の上では春なのに~♪」という立春から今頃の間だろうか。春物が店に並びはじめるが、まだまだ雪がぱらつき、寒い日が続くという時期を歌ったものである。歌中には学生、それも卒業を控えた男女という感じだが、窓から呼ぶ彼女、ノートの貸し借り、「卒業なんて言葉は嫌いさ~♪」、なんてかなり微妙な歌詞だ。この歳になると、そういう淡い時期もあったよね~なんて感慨しきりだ。
「ボタンダウンのシャツをそろそろ着れなくなる頃~♪」なんていうから、どういう事情なのかは計り知れないが、今はボタンダウンを着たビジネスマンなんてざらだし、ボタンダウン=カジュアルという単純な時代でもないし、「下りの汽車の時間が~♪」とかほとんど慣用句のような言い回しも、時代を感じる。そう、「電車の時間」でもないし、「列車の時間」でもない、「汽車の時間」なのである。
原詩を知っていないとほとんど言いがかりのようになってしまったが、曲はとても大好きだ。季節の移り目と、自らの境遇の移り目の重なりとを歌った名曲だ。「旅の午後」といっしょに聴きたいところ。
ギリギリの引用と思うが、問題ないだろうか…。
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