IT小技―マウスを使うな!(4)

最後になりましたね、本題の「キーボード・ショートカット」です。「ショートカット」とは、文字どおり「近道」のことです。つまり、目的の機能にたどり着くための近道なんですね。マウスだと何回もクリックしたり、移動したりしなければなりませんが、「キーボード・ショートカット」を使えばキー操作で一発です。「キーボード・ショートカット」を覚えて、効率的なオペレーションを心掛けましょう。

個別のアプリケーションのショートカットを覚えても応用が効きにくいと思われますので、ここでは汎用的なものを覚えましょう。これを覚えるだけでも、作業効率は100%アップ(当社比)するはずです。では、キーボードの一番手前に注目して下さい。ここには、Windowsマークのキーと、メニューのようなキーがあるはずです。Windowsマークのキーは、文字どおり「スタート」メニューをクリックしたのと同じ効果があります。つまり、いつでも「スタート」メニューを押したようにアプリケーションの起動を行うことができます。

メニューのようなキーは、「コンテキストメニュー」を呼び出す効果があります。「コンテキストメニュー」とは、「コンテキスト」すなわち「文脈」で呼び出すメニューで、そのときどきで現れるメニューが異なります。たとえば、エディタなどで文字を選択して呼び出されるコンテキストメニューは、選択した文字の編集に関わるものになります。カット、コピー、削除などがそれに該当します。

このうち、「コンテキストメニュー」キーは、活用のしがいがあります。何しろ、マウスの右クリックを実行する必要がないのです。そう、コンテキストメニューとは、マウスの右クリックで呼び出されるメニューですが、これをこのキーで代行できます。これで、マウスを使う局面がひとつ減りましたね。

あとは、アプリケーションの使用中に、慣例的とも言えるキーボード・ショートカットを覚えましょう。これらのショートカットは、アプリケーションが完治しないところで決められているか、ガイドラインに従って個々のアプリケーションが実装しているものです。代表は、「Alt+F4」選手です。これを押すと、アプリケーションを終了したり、ダイアログボックスをクローズできます。つまり、開いているものを閉じる、という機能を持つので、「Windowsさえも終了させられる」のです。何もアプリケーションが実行していない状態でキーを押せば、一目瞭然です。

次は、エディタ系に行ってみましょう。テキストエディタ、ワープロ、メールソフトでメール本文を書いているときにも、これらのショートカットが使えるはずです。

  • 対象をコピー(CTRL+C)
  • 対象をカット(CTRL+X)
  • 対象にペースト(CTRL+V)

さて、コピーとかカット、ペーストとか言われても、何のことかわかりませんな。その存在を握るのは、「クリップボード」です。クリップボードとは、データの一時的な置き場所です。言葉の意味で言えば、壁にぶら下がっている伝言ボードのようなものですね。「コピー」では、対象物の複製をクリップボードに置きます。「カット」は、「コピー」に似ていますが、対象物を削除してしまいます。つまり、コピーを作るか、移動するか、という差があるわけです。「ペースト」は、レバーを…。ではなくて、クリップボード上のデータを貼り付けることです。つまり、「コピー」→「ペースト」では文字どおりコピー、「カット」→「ペースト」では移動が行えます。ペーストしてもクリップボード上のデータは消えませんから、何度でもペーストできます。これはすごいですよ。

あとは、そうですね。こんな感じでしょうか。

  • ファイルを作る(CTRL+N)
  • ファイルを開く(CTRL+O)
  • ファイルを保存する(CTRL+S)
  • 印刷する(CTRL+P)
  • すべて選択(CTRL+A)
  • 検索(CTR+F)
  • 置換(CTRL+R)

こう見ると、アプリケーションのショートは、ほとんどがCTRLキーとの組み合わせになっていることに気付きますね。Altキーはシステム寄りで、CTRLキーはアプリケーション寄り、そんな区別もできるのではないでしょうか。乱暴かも知れませんが。

あとは、F1をおぼえておきましょうか。鈴木あぐり?いえいえ、キーですよ。何かに困ったら、F1を押すのです。すると、親切なアプリケーションならヘルプが表示されることでしょう。

何だか最後は消化不良だ?いえいえ、ショートカットといえども、修得はショートカットではいかんのです。ひとつひとつ実行し、これは便利だ!と思えば身につくのです。なので、ヒントだけをここまでに書いたのです。読者諸兄が、これを機にキーボード操作の世界に入ってこれるなら、これ以上ない喜びです。

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