記事: ITmedia News:温暖化対策に朗報? 大気から二酸化炭素を吸収できる新技術
この記事によれば、空気中の二酸化炭素(CO2)を捕捉し、固定化する技術と装置のプロトタイプが公開されたそうだ。開口部1平方メートルの機器では、年間に1トンのCO2が捕獲できるという。さらに、10平方メートルの機器では、1,000トンのCO2が捕獲できるそうだ。このような機器を世界中に設置すれば、CO2による地球温暖化問題は解決、とはいかないでしょうな。この機器だって稼働エネルギーは必要だし、当然製造エネルギーもかかる。どちらが多いか、どれほどの期間を見込むのか、という厳密な計算も必要だし。ただし、こういう技術開発に異を唱えるつもりはまったくなく、問題を解決しようと日夜研究、努力している方々は素晴らしいと思う。
人間、どうしても、現状を変えずにアドオンの形で解決策を、と考えてしまいがちで、これは自然でしようのないことだと思うのだけれど、下手すれば「どこかでCO2を吸収してくれているから、こっちは出してもいいんだ」というような思考になりがちだ。あくまでも個人的な考えだけれど、出たものを消すよりは、出るものを減らした方が、ずっと効率がいいような気がする。それでも、やはり東京ミッドタウンなんかはそれまでの防衛庁の施設よりははるかに大量のエネルギーを消費しているわけだし、減らすための議論はすなわち経済縮小、現状維持、そういったことにつながってあまり歓迎されないのは明らかだし。
聞けば、IT関係のエネルギー消費だけで全エネルギー消費の15%に達するそうで、これはこれですごいことだ。世の中にはエネルギーを消費するものはいくらでもあるのに、IT関係だけで15%というのは、いかに「いつでも」「どこでも」「誰でも」ということが高コストなことかわかる。以前、出版とネットの比較で本は紙を大量に消費するから環境に悪く、ネットはペーパーレスだから環境によいという話を聞いたが、一度作れば低いエネルギーで保存できる本に比べ、ネットではデータが意味をなす形で見えるようにしておくためには常にエネルギー消費が必要ということで、必ずしもそうではないような気がする。
国の予算然り、家計然り、いちど膨らんだものを縮ませるのは大変だ。
コメント
大きくは破壊に向かっているのは、想像がついているんでしょうけど、人類のすごいところは経済効率一辺倒になっているかのようで、小さくても議論を尽くそうとすることでしょうね。引き返すことができる勇気と合意があるか・・ということになりますね。間違ったら、引き返すことを身軽にできるのが、先進国だと想います。日本は超後進国です。
やめる勇気、棄てる勇気も必要ってことですかねぇ。これができないのは男に多いような気がしますが。日本の社会構造と関係があるんでしょうねぇ。笑
小さな声で・・・たぶん。
やっぱり?軽くうなだれます。