朝晩すっかり涼しくなったが、相変わらず我が家の目前では蝉の鳴き声が絶えない状況だ。夏の風物詩ももう少しでなくなるかと思うと寂しくもなる。今回は、蝉時雨をバックに黙々と励んだ作業の記録だ。
新レッツノートのネット環境を整える
ようやくここまでたどり着いたという感じである。PCを実用ベースに乗せるために必要なのは、まずはネット環境とメール環境だ。ネット環境の場合、かなり自動化は進んでいて、接続すればほぼそのまま使えるようになっている。ただし無線LANの場合、WEPやWPAなどで暗号化していればキーの設定が必要になる。これも簡単で、検出したワイヤレスネットワークの一覧から自分のものを選び、WEP(WPA)キーを入力すればOKだ。ちなみにCF-Y7Aはa/g/bの3つの無線LANに対応しているので、できればa規格を選びたいが無線LANルータの設定が必要になるので、今のところ従来のg規格で接続している。
メール環境を移行する
重要なのはメールである。これが使えないので、仕事以外のメールはほとんどシャットアウトだ(仕事のメールは職場のデスクトップでWebメールが使える)。何はともあれ、回復しよう。まずShurikenをインストールする。Shurikenは、ジャストシステム製の国産メールソフトだ。これのバージョン4を使っていたはずなので、ごそごそとCD-ROMとシリアルナンバーが書かれたシートを探し、インストールする。
インストールを開始するにあたり、Vistaから警告を受ける。この警告はXPではなかったもので、Vistaから実装されたセキュリティ機能のようだ。「これはあなたが認めた操作か?」と聞かれるが、「あなた」は「わたし」だし、認めてない操作は自分ではできないし、どういう質問かと悩む。実際は、インストールプログラムがすべて「善」であるとは限らないし、ユーザが望まない操作や設定が実行されてしまうこともあり得る。これを確認しようというのがこのメッセージと理解している。
インストール自体は難なく終わるが、データ形式などのことを考慮して、最新版にアップデートしておく必要があるのではないかと思う。そこで、Shurikenを起動して「最新版の確認」を行うと、確かに最新版があるとのことだが、あなたが管理者ユーザでないのでアップデートできないといわれる。「え?そんなはずは…」と思いながら「コントロールパネル」から権限をチェックするが、確かにAdministrators=管理者グループとなっている。そこで、ジャストシステムのサポート情報をチェックすると、Vistaではアップデート版を明示的にダウンロードしてアップデートを行う必要があるようだ。そこで、ダウンロード&アップデートを実行すると、今度は無事終了する。これでVistaにも対応した最新版となったわけだ。
ちなみに、このチェックでShurikenが2007にバージョンアップしていたことが判明した。この1年ばかり、ジャストシステムからのメールをほとんど無視していたせいである。バージョンアップしようかは、落ち着いたら考えることにする。
メールデータの移行は、比較的簡単である。ただし、正規に認められている方法ではないので、もし試す人がいれば自己責任でお願いしたい(正規には、Shurikenのバックアップ機能でバックアップしたデータを回復させる、というものがある)。今回は旧レッツノートがほとんど死んでいたので、データのバックアップなどとっていることができなかったのだ。データの移行は、以下のステップで実行する。
- メールアカウントの回復
- メールデータファイルの回復
このうちメールアカウントの回復は、今回はやっておくのをすっかりと忘れていたが、旧レッツノートのレジストリ内にあるShurikenのメールアカウントをすべてファイルに書き出しておき(レジストリエディタを使う)、新レッツノートのレジストリに書き込むというものだ(ファイルを実行すれば書き込まれる)。これでメールアカウントは回復するので、状況が許せば実施しておきたい(この作業はShurikenが起動していない状態で行うこと)。
次のメールデータファイルの回復だが、これを行う前にはメールアカウントの回復を行っておかなければならない。上記のようにレジストリ情報から回復させれば手間は最小で済むが、手動で行うには、若干の手間が必要だ。それは、メールアカウントの番号と、個々のメールアカウントのデータファイルを格納するフォルダの番号を一致させなければならないからだ。私のようにたくさんのメールアカウントを使い分けていれば、こういった作業が必要になる。これがすんなりとはわからないため、こういう方法を採る。まず、メールアカウントを10個くらいダミーで作成してしまう(名前やメールアドレス、サーバ名などは適当に入れておく)。そして、下記のデータファイルの移動を実施する(この作業はShurikenが起動していない状態で行うこと)。
まず、旧レッツノート(Windows XP)の、
C:\Documents and Settings\User\Local Settings\ApplicationData\Justsystem\Shuriken\User
という長ったらしい名前のフォルダ以下の全ファイルを、新レッツノート(Windows Vista)の、
C:\Users\User\AppData\Roaming\Justsystem\Shuriken\User
に移動あるいはコピーする。ちなみにこれらのフォルダは隠しフォルダなので、「エクスプローラ」の「表示設定」で「隠しファイルを表示する」というように変更しておく必要がある。蛇足だが、Windows Vistaでは、ずいぶんとユーザプロファイルの場所がシンプルになったようだ。なんたって1行に収まるのだ。
これはさておき、メールアカウントをレジストリで復旧させた場合には、なんとこれで完了である。だが、私のようにメールアカウントを手動で回復させる場合には、この後にも作業が必要だ。まず、Shurikenを起動すると、作成したメールアカウントの分だけフォルダのリストが現れる。この一つ一つを開いて、その内容からどのメールアカウントのものかチェックするのだ。チェックできたら、メールアカウントごとに正しい情報を設定し直せばいい。また、旧環境でメールアカウントの作成や削除を繰り返した場合には番号が飛び飛びになっていることがあるが、飛んでいた場所のフォルダには、初期状態のデータしかないはずなので、これはアカウント情報ごと削除してしまう。この作業の繰り返しで、メールはほぼ問題なく復旧するはずである。
この方法で回復させ、しばらく使っていたが特に問題はないようだ。管理する構造が単純だと、取り回しも楽である。次は、日本語入力環境の移行だろうか。
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