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要するに、無駄なことはやめよ、約束は守れ、環境保全の流れに逆行するな、とそういうことを言いたい記事である。猪瀬氏には今度こそ頑張って欲しいのだが、私が気にしたいのは環境保全の流れに逆行するようなアクションを、未だに平然と起こそうとする感覚の鈍さである。
ここのところの都内は立て替えラッシュで、老朽化したビルや一般の民家、企業や官公庁が売却した施設など、あらゆるところで解体、建設が行われている。私の勤務先は六本木に近いので、昼食後などにぶらつくことも多いのだが、ここもご多分に漏れず解体、更地化、着工というプロセスのいずれかにあることが多い。
気になるのは、古い建物だと敷地内の植樹も立派なもので、風景の一部として町並みを彩ることが多いのだが、それらが軒並み伐採されてしまうということだ。もちろん、立て替えのあとには新たに植樹するのだが、長い年月を経て威風堂々としていたものとは異なり、さも飾りとしてとりあえずそこに植えられております、といった貧弱さはぬぐえない。いつもながら、もったいないなぁ。と思いながらその場を通り過ぎる。
ちなみに、近くのマンション解体工事では、敷地内にあった立派なケヤキが数本、根本から切られて株も掘り出された。このケヤキの幹には、「港区保護樹木」という札もあったのだが、邪魔なら切ってよいなら何のための保護樹木表示か、という気もしないでもない。
今世の中はCO2で地球温暖化だ、CO2を減らせ、CO2を出すな、などという話が政府関係でも出てきているのだが、CO2の絶対量を減らすということは、CO2の排出量を減らすのはもちろん、CO2を固定化することも意識しないとならないと感じている。固定化とは、すなわち植物の活動による光合成であり、そのためには遠い彼方にある緑はもちろん、目の前の緑に対しても目を向けなければならないと思うのだ。
話を戻せば、風致地区に指定され、そうでなくても立派な樹木の残る今では貴重な緑地を、むざむざつぶすという政策には反対である。ヒートアイランド現象の抑制のために、ビルの屋上に緑を配置することを義務付けながら、片方では地上の緑を取っ払おうとしているのだから、一つの大きな頭としてみた場合にはおかしなことを考える人だなぁ、と思われても仕方ない。
緑のあるのが神社仏閣だけ(最近はそこも危ないのだが)という事態だけは、勘弁してもらいたいものだ。
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