メガネを新しく作るという記事である。昨日の記事では、現況について書いたつもりだ。よくもまぁこの程度のことにあれだけ書けるなと我ながら感心するが、今回が本番なのである。何だか楽しみにしていてくれる人もいるようなので、二夜連続投稿である。
まず、眼鏡屋に向かう。近所にあるチェーン店だが、ずっとここで作っているので、今回もここで、と思ったわけだ。ときおりセールをやっているが、たいていの場合はセール対象外になってしまうので、今回もどうせそうだろうと時期も気にせず向かうことにする。ちなみに、もっと近所にある眼鏡屋が閉店セールをやっているが、アフターの必要な商品はなくなる店で購入するのは不安だ。ここは惜しいが、アフターを重視して閉店予定の店は避けることにする。
店に入ると店員がわらわらと寄ってくるので、ネジの壊れてしまったメガネを見せる。すると店員は私の細工に一瞬ぎょっとしながらも、「すごい!巻かれている!」などと感心して、奥に引っ込む。どうやら、メガネを直しに来ただけの客と思われたようなので、新しく作りたい旨告げる。すると、検眼をする担当に案内されて、スペースに誘導される。
店側にカルテがあるので、現在の設定から調整していきましょう、ということになる。個人的には、近眼の度が進み、遠視も出てきたという認識なので、その旨告げる。以前の矯正が、1.0になっているということなので改めて視力を計ると、0.9程度に落ちているという。なので、近視の矯正を少し強くしてみる。実は乱視も入っているのだが、そちらは特に変更の必要はなさそうだ。というわけで、近視や乱視に関する検眼はわりとすんなりと終わるのであった(実際は、もっと細かくあれやこれやするのだが、省略)。
問題は遠視である。ご存じのとおり、遠視と近視は同じレンズでは矯正できないので、こういう場合には「遠近両用」というタイプを使うことになる。だが、あくまでも私感だが、「遠近両用」というものにはすごい抵抗がある。思い込みかも知れないが、「ご老体」といったイメージがあるのだ。「ついに私も遠近両用ですよ。」などと言うと、いきなり老け込みそうな気がする。また、私の理解している「遠近両用」というのは、「境目のあるタイプ」か「境目のないタイプ」(バリラックスII?)というように、何らかの境目のあるようなもので、見た目のことも大きいだろうし、使い勝手もどうかと思うようなところがあるのだ。
いちおう説明を受けると、今の「遠近両用」はよくできていて、境目がなく、度の変化をなめらかにするためにする工夫が施されているということだ。具体的には、レンズの中央から上半分は近視用、左右中央部分を下の方に進むに従って遠視向きになる。ちょっとわかりにくいかも知れないので図解。
この場合、T字から外れる部分はまったく矯正に作用しないということだ。なので、視野の下半分が何となくぼけた感じになるという。何だか気持ち悪い気もするが、そういうものだそうだ。さて、ここまで説明を受けて、「遠近両用にしますか?」と聞かれる。実は、このタイプは値段もけっこう高い。近視用として作った場合に対して、歪み具合に応じて1~2万ほど高くなる。これは考えどころだなぁ、ということで「もう少し近視のみでがんばってみます。」と根拠のない見栄を張る。せめてあと5年はこのままいきたい。
問題のレンズだが、近視の強めの矯正と強めの乱視の矯正ということで、普通に作ればかなり厚いレンズになる。もちろん軽さを重視してプラスティックレンズなのだが、厚くなればその分重くなるし、視野の歪みも強くなる。それで歪みの小さい、薄いレンズも用意されているのだが、これは一般的に高い。これだけで普通のメガネなら3つくらい作れるのではないか?というほどのものだ。上で、セールには関係ない、と書いたのはこういうわけだ。だがしのごの言っていてもしようがないので、もっとも薄いもので作ってもらうことにする。いててて、と言いたくなるような出費だ(レンズの価格は秘密だ)。
このレンズに、オプションで薄いカラー(ブラウン)を入れてもらう。私のようにVDT作業の多い人には、青い光を和らげる作用があるとかで、お勧めということだ。オプションで3,000円。あと、コーティングを強化してもらう。レンズがダメになるのは、度が合わなくなってくることもあるが、たいていはコーティング落ちだ。できるだけ保たせたいので、コーティング強化加工もしてもらう。これも3,000円だ。しめて6,000円が乗っかる。
セールには関係ないが、割引のはがきは送られてきているので、それを利用させてもらうことにする。割引は3,000円。つまり上のオプションの片方分だ。たったこれだけだが、こういうのは使わせてもらわねばなるまい。払う必要のあるものは払うが、節約できるものは節約する、こういきたいものだ。
最後はフレームである。そう、今回の新調の目的には、フレームの新調もあった。レンズがダメになったのならレンズだけ変えればいいようなものだが、リムのないタイプはすぐに緩んでメンテナンスが面倒だったし、最初にこのメガネを装着したときの「インテリヤクザみたい!」といった評価が忘れられない。目つきは鋭い方だが、そのときに黒いスーツを着てカラーシャツを着ていたからと、いくらなんでもこの評価はないだろう。この言葉が重くのしかかり、いつかは変えてやると心に誓っていたのであった。
いろいろフレームが推奨された。携帯電話のアンテナにも使われていた素材を使った柔らかなタイプ、耳にしっかりかかりスポーツ向きのタイプ(ムム、私向きか!?)、ヒンジにネジを使わないタイプと、いろいろ勧められるが、勝手に見て回って決めたのは某ブランドのオーソドックスなチタン製の黒いフレームである。作りはオーソドックスだが、リムの形状やテンプルのデザインが気に入った。最初に気になって、結局最後に戻ってきたのはこれだ。こういう出会いは重要である。ただし値段は秘密だ。
見てのとおり、ブリッジもシンプル、リムの形もシンプル、いたって普通だがこの普通さがいいのだ。
ヨロイからテンプルのラインも直線的で太く、プリントもおしゃれである。よく見ると、レンズにかすかに色が入っているのがわかる。それにしても分厚いレンズだな、と思うがしょうがない。下手すれば、もっと厚くなるのだ。
またしてもこの長さ、最後はメガネ自慢のようになってしまった。でも、いいものにすると大事に長く使おうという気持ちになり、結局はよかったということになると思うのだ。文字どおり、お目汚し、失礼した。
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