私のように、素人に毛の生えた、もしくは素人の域を出ない写真愛好家にとっては、写真やカメラに関する用語や考え方は、けっこう謎なことが多い。そのひとつが、レンズの「焦点距離」である。
「焦点距離」とは、レンズの型番や仕様にある、「55mm」とか「200mm」とかいうアレである。文字どおり、像を結ぶ焦点距離なのだが、一般的にこの値が大きいほど、遠くのものが大きく写る。55mmは「標準」ともされるように、目で見た感じがそのまま映るような焦点距離で、18mmとかならもっと広い範囲が写り、200mmとかなら遠くのものが大きく写る。なので、18mmとかは「広角」、200mmとかは「望遠」と呼ばれる。
実は、焦点距離というのは、単に小さく写る、大きく写る、だけの違いではないのだが、難しくなるので、ここでは省略。
前から気になっていたのは、「マクロ」レンズである。マクロレンズは、近寄って大きく写すためのレンズであるが、ここで重要なのが「最大撮影倍率」という奴である。マクロレンズは、この「最大撮影倍率」が1であるのが基本である。つまり、センサーに同じ大きさで対象物が写る、ということだ。一般的なレンズでは0.2~0.35程度なので、4~3倍は大きく写ることになる。マクロレンズを使うと、小さいものを大きく写せる、これがその理由である。
ということは、同じ焦点距離のレンズでも、マクロレンズでは普通のレンズより3倍くらい大きく写るのか?と思った。これが素人の浅はかさだが、実際に試してみればすぐわかる。次の写真は、キヤノンのEOS 40Dを使い、同じくキャノンのマクロレンズ「EF-S 60mm F2.8」で撮影したものである。
さらに、以下の写真は、同じボディでキヤノンの「EF-S 17-85mm F4-5.6」を60mmに焦点距離を設定して撮影したものである。
見てのとおり、ほぼ同じ範囲を取り込んでいる。なので、焦点距離が同じなら、基本的に同じ範囲が写るのだ。
では、マクロレンズはなぜ大きく写るのか。それは、「より近づくことができる」に他ならない。つまり、近づいた方が大きく写せるが、普通のレンズだとあまり近づけないのだ。これがマクロレンズだと、ほとんど等倍(最大撮影倍率=1)にまで近づける。だから、その分大きく写る。これが結論だ。
こんなことを今さら納得しているのだから、救えない話だ。もっと勉強しなければ、と思った次第である。
ちなみにマクロレンズでは、近づいて撮ったときの品質が、普通のレンズに比べると格段に違う、ということも付け加えておこう。それは、このブログで「マクロレンズで撮った」という写真を見れば、はっきりするはずである。
コメント
マクロ撮影された写真を目にすると
なにか新鮮な気持ちがして大好きです。
不思議な魅力、別世界、があるというか。
肉眼でしっかり見ていたものが
改めてマクロ写真で見ると、
ここまで情報量が違うのかと唖然とします。
7さん、
普段は、ここまで近寄ってものを見る、ということはないですからね。
あと、被写界深度(ピントの合う範囲)が極端に狭いですから、ピントが合っている以外の部分は、すごくぼけます。
それも、違う世界を作る、といったことにつながるのでしょうね。