通勤電車はストレスがいっぱい(10)―立場変われば…。

私は、横浜から都心まで、東急田園都市線を使って通勤しています。だいたいトータル1時間強の通勤になるのですが、今日は朝から著者さんと電話(Skype。これについては別の機会に)ミーティングがあるので、ちょっと早めに家を出ました。ところが今朝の田園都市線と来ましたら、お約束の遅延で参りました。ところが、非常に象徴的なことが起きたのです。

たまプラーザ駅から乗車しましたら、その時点で13分の遅延ということでした。そして、渋谷には20分ほどの遅れが見込まれるとのこと。すでに13分の遅れで最大20分の遅れなら、この先の遅れは7分くらいか、と見当がつきます。これくらいの遅れなら大丈夫かな、と思いました。

理由も今回の件では重要なのですが、車内アナウンスによれば、「長津田車庫で瞬間停電があったため」でした。車庫で停電か、それで遅れるのか、しかも瞬間停電で?まぁ、そのあとの安全確認もあるだろうから仕方ないかな、と思いました。

電車は案の定、のろのろと進んでいるのですが、溝の口駅に着くかというところで、そこから併走する東急大井町線で、自由が丘駅にてドア点検を行っている関係で運行を見合わせているという車内アナウンスがありました。「え~」という車内のどよめきは当然で、溝の口始発の大井町線で振り替え輸送を利用しようと思っていた人が多数いたはずだからです。ただでさえ、ここで乗り換える人は多いのです。

なんてこった!二重にトラブルが起きるというのは、いかにも東急らしいと言えば東急らしい!

実は私も大井町線に逃げて、自由が丘から東急東横線で都心に入ろうと思っていたのですが、その計画は頓挫しました。仕方ないので、そのまま田園都市線に乗り続けましたが、のろのろ運転の割にはアナウンスで出る遅れの時間は13分で変わりません。このへん、ちょっと変です。渋谷着も20分遅れの見込み、で変わりません。特に時間の確認はしていないのですが、成り行きでいいやと、そのまま乗り続けました。

遅延の事由も、長津田車庫の瞬間停電、と変わりません。

で、渋谷に何とか到着しました。二子玉川より先の地下区間では、比較的順調だったかと思います。私はそのまま東京メトロ半蔵門線区間も乗り続けるのですが、乗り替わった東京メトロの車掌が、状況をアナウンスしてくれます。

それによると、渋谷発は25分の遅れ、原因も「信号機トラブル」に変わっています。

ええ?時間が増えてる。しかも原因もかわっとる!

どうやら、東急区間では遅延状況を過少申告し、東京メトロ区間では正しいことを申告していたらしいのです。瞬間停電と信号機故障だと、信号機故障では「またか」感がありますが、「瞬間停電」というのはよくわかりません。それがどのような影響を持つものかわからないので、「それってなに?」感はあっても「またか」感はありません。

何だか気持ち悪い話だなぁ、とか思うのですが、何か事情があるのでしょう。でも、こういうことって実は身近でもしょっちゅう起きています。

勤務先の編集部会議では、各編集チームから進捗状況などが報告されますが、それって「事態を都合いい方に解釈している」ものが多いのですね。客観的に見れば明らかにスケジュールが遅延しそうな「それって無理じゃね?」的なものでも、「何とかなると思います」とか「1日ぐらいの遅れで済みそうです」とか。それが事実かはともかく、たとえば私や別の編集チーム、DTPオペレータなどから見ると、「無理だろ、それ?」みたいなことはけっこうあります。実際、遅れます。

当事者にすれば、悪い事態でもできるだけよく見せたいというのはわかります。しかし、それがほかの第三者に大きな影響を与えるものなら、できるだけ正確な申告をすべきです。また、都合のよい解釈は問題の本質を隠してしまい、却って症状を悪化させてしまうことがあります。

たかが電車の遅延で何もそこまで、と思われそうですが、遅れている車内でそんなことを思い浮かべていました。困ったものです。ですが、私は東急電鉄に言いたい、「事態はできるだけ正しいものを言って下さい!」と。また、手段がない地下区間で振り替え輸送の案内をするのもやめて下さい、と。

単なる儀式は望んでいません、頑張って下さい。

追補:二度あることは三度ある、ではないですが、夜の帰路では渋谷駅で乗客が走行中の車両に接触したとかで、遅れました。今日は何かと大当たりだったですが、昼食の「豚汁定食」が美味しかったのでチャラです。

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