仕事を終えて家に着くころには、たいてい22時を過ぎているのですが、いつも通る街角に、たくさんの人が行列を作っているのを見かけるようになりました。その角は、スポーツ用品店があるのですが、そこは20時には閉店してしまいますし、そもそもお店に入るのを待っているような感じではありません。
もちろん、パチンコ店の開店を待っているわけでもなさそうです。夜ですからね。
待っている人は、皆さん勤め人という感じです。ラフな感じの人もいるにはいますが、スーツやそれに準ずる格好の人が多いです。う〜む、何のための行列なのか?
気になって聞いてみようかと思いましたが、その答えはあっけなくわかりました。
ちょうど、私がその場所に差し掛かったとき、一台のマイクロバスが停車しており、その中に乗り込もうという人たちが見えました。そう、皆さん、バスを待っていたのです。しかも路線バスじゃありません、マイクロバスです。
マイクロバスと言えば、このへんでは自動車教習所や温泉のものをよく見かけますが、基本的に昼間です。では、この夜間に人を乗せて走るバスとは、いったい何でしょうか?
まぁもったいぶるようなたいそうな話ではないのですが、そのバスに「なんとかかんとかたまプラーザ」とあったので、すべての謎が解けました。
そうです、分譲マンションの送迎バス(シャトルバス)だったのです。徒歩では行き来がきつい遠隔地のマンションは、こうやって自分たちでシャトルバスを運行させていたのです。
そこで、さっそく調べてみましたら、ありました。執筆時点で分譲中のものが。見てみましたら、駅から徒歩19分とあります。実際にはもっとかかるでしょうから、25分くらい見ておいた方がよいです(アップダウンもありますし)。
それなら確かに、バスのお世話にでもならないときついでしょう。正直、アップダウンのせいでチャリでもきついと思います(体験済み)。
ここまでやれば、バスの経路に入っている駅名をマンション名に付けることもできるでしょう。でなければ、絶対に付けられません。その駅名があるかないかで、売価が1千万は違ってきますから、バスを運行させてでも、名前を入れたいのでしょう。
ですが、バスを運行させるには管理費が高くなり、それは住民の負担になります。それによってその駅名がマンション名に入りますが、それで売価は高くなります。そうまでしてそういう物件を選びたいのか、という気持ちがよくわかりません。
宅地に適した場所がほとんどなくなってきており、あとは何かの跡地を利用するか、緑地を潰すしかありません。それでも、適しているかは怪しくて、結局はこのように苦肉の策で価値を上げていくしかないというところに、マンション業界の限界を感じます。
そういえば、我が家の近くで計画されている東京急行電鉄の「美しが丘五丁目集合住宅計画」は、線路に下る急斜面を掘って作るのですが、エントランスは3階か4階になり、車も地下駐車場にエレベータで下るということです。
何だか、雪国の家を思い出しました。私の田舎(福島県会津地方)では、二回にも入口がある家が多いのですよね。
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