本を手に取って見てください。単純に言うと紙を束ねたものですが、それだけではなくいろんなものがくっついていることに気付きませんか?
本のタイプにもいろいろありますが、ここはもっとも一般的な並製本の本について、その作りを見てみましょう。本屋さんで普通に売っている、実用書やコミックスが該当します。
写真:足成
ちなみに、ハードカバーは上製本と言います。本にも、並とか上とかあるんですね。特上はないですけどね。
本のもっとも外側に付いているもの…。特に下半分に巻かれているもの、これは「帯」と呼ばれます。「オビ」とカタカナで書くこともあります。着物の帯のように巻かれているから「帯」なんですね。
オビは宣伝用で、実は書籍の一部ではないんです。重版になれば違うものに差し替えられたり(「重版出来!」みたいに表示されたり)、本屋さんによっては取ってしまうところもあります(最近は少ないですけど)。
皆さんも、購入した本から、オビをすぐにとって捨ててしまってはいませんか?
まぁ、購入された時点でオビは役割を終えたので、捨ててしまってもよいのですが、中にはデザインやコピーに凝ったものがありますから、できれば取っておいて欲しいなぁ、と業界人としては思う次第です。
帯
の内側、いわゆるもっとも露出の多い部分、これが「カバー」です。「ジャケット」と呼ばれることもあります。人によっては、カバーを「表紙」と呼ぶことも
ありますが、厳密に言えばこれは間違いです。まぁ、カバーがない場合には表紙がカバーの役割を果たしますので、あながち間違いではありませんが…。
カバーは、本の一部、しかももっとも外側ですから、作り手として非常に気を遣う部分ではあります(帯にも気を遣いますけど)。本のタイトル、著者の名前、そして本の中身に関連する絵や写真など…。ビジュアル的にも非常に重要なものです。
カバーがキレイだから買った、という人もいるように、本に対する購買意欲を左右するものでもあります。ですから、作り手としては気を抜けません。
帯と同じく、カバーも捨ててしまう人がいますが、できれば取っておいて欲しいなぁ、と業界人としては思う次第です(くどい)。
帯とカバーを外すと、本体が出てきます。これ以上はばらせません。ああ、最近は「自炊」と言ってばらしてスキャンするのが流行していますけど、私にはできません。
本体の表面が、先ほど出た「表紙」です。カバーがない本の場合、表紙がキレイにカラーで作られていると思いますが、カバーがある場合の表紙は、単色刷で非常に地味なことが多いです。
たまに、カバーと同じようなデザインでキレイに作られた表紙もありますけど、例外でしょう。
表紙をめくると、色の付いた紙が出てくることがあると思いますが(ない場合もある)、これは「見返し」(みかえし)と呼ばれます。見返しは、裏表紙の方にもあります。
見返しは、表紙と本体をくっつけるための紙です。試しに、表紙と見返しの間に上の方から指でも突っ込んでみて下さい。どこで接着されているかわかると思います。
見返しがなくても表紙と本体はくっつくんですが、見返しがあった方が丈夫だし少し豪華に見えます。
帯とカバー(ジャケット)と表紙と見返しだけで、これだけの分量になってしまいました。でもまぁ、これで「この本の見返しの色っていいよね…」とか少し知ったかのような話ができるわけです。笑
次は、帯やカバーをもっと掘り下げるか、本体部分の細かなところに入っていきたいなぁ、と思っています。
※この投稿は、アメーバブログの再掲です。
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