「テレコ」の謎。

真面目なブログ主は、今日も仕事に邁進していたぞ。山のように積まれた校正紙も、ちょちょいのちょいだ!

といけばいいのだが。ある赤字を見ていて悩んだ。

「テレコになってます」

う〜む?

a0002_001546 写真:足成

ブログ主にとっての「テレコ」って、テープレコーダー、略してテレコだ。50代以上の人の学生時代、「テレコ貸して〜」「いいよ〜」みたいなやりとりはなかっただろうか? テープレコーダーはまだまだ高価で特別なものだったから、こういうやりとりがあったのだ。

しかしだ。校正紙にはどこにもテープレコーダーに関連した話はないから「テレコになってます」と言われても困るのだ。そこで、博識で定評のあるM嬢に恥を忍んで聞いてみた。

「知ってます!」

う〜む、いくらなんでもなぁ。と思ったら、的確に言い当ててきた。なので、校正紙の状態もわかったようだ。要は、2箇所をそれぞれ指す矢印が逆になっていた、ということらしい。

日本語俗語辞書から。

[1] てれことは互い違い、食い違い、入れ違い、あべこべといった意味である。歌舞伎では二つの異なる筋を一つの脚本にまとめ、交互に進行させることを言う。関西弁であったてれこは歌舞伎以外にも芸人の楽屋言葉として全国的に普及。てれこの語源は「人の手(て)を入れて交互(こうご)にする」の略という説が濃厚と言われている。

[2] テレコとはテープレコーダーの略。ただし、テープレコーダーの所有者が減るとともに、こちらの意味での使用はなくなってきている。

関西の言葉なら、関東出身のブログ主が知らなくても無理はない。しかも歌舞伎用語か。深いな。明日にでも聞いてみよう。それはともかく、互い違い、入れ違い、ということなら納得だ。しかも[2]に強引に絡めたいのか、バッテリーに限度のあるテレコで長時間録音するために、2台のテレコを交互に使うことを、「テレコする」というらしい。歌舞伎での説明と似ていなくもないから、勘違いかな。

でもこれで、一つ賢くなった。50年も生きてきて、初めて巡り会う言葉があるとは。いやはや言葉の世界は奥が深い。そしてそんな世界に浸れる今の仕事に大感謝だ。

コメント

  1. ふうちゃん組 より:

    こんにちは。
    てれこ、大阪弁でしたか。楽屋言葉だったとは!
    てれこにする、という言葉は、使わないけれど、
    聞いたらわかる、という感じです。
    白黒白黒と並べるとか、交互に何かするときに
    使うと思います。

    • なおさん なおさん より:

      ふうちゃん組さん、いつもありがとうございます。
      おそらくこのネタには反応がある!と妙な確信を持って書いておりました。笑
      これを書いた人は岡山県の人なので、おそらく関西より西の言葉と思っておりました。
      それで歌舞伎というのが面白いですが。