日本語には便利な言い回しがあるなぁ、けど濫用厳禁。

最近、某掲示板をよく覗くのだが、世の中にはいろんな人がいるなぁ、と感心したり驚いたり。編集者として気になるのは、日本語の成句というか言い回しというか、そういうのを曲解して使うばかりか、その通りに実践して顰蹙を買うとかいったこと。

例えば、有名どころでは「お互い様」。これは、たとえば迷惑をかけられた側が、迷惑をかけた側に向かって発する言葉だが、これが逆になっていることもある。

さんざん迷惑をかけておきながら、その相手から苦情を言われて「向こうもそうなるかもしれないんだから、これってお互い様ですよね?」みたいなことを平気で思ったり。

「やんちゃ」「若気の至り」「旅の恥はかき捨て」とか、これも間違った使い方をされるといよりは、嫌いな言葉だ。「やんちゃ」は、子供に使う表現だが、もう十分に分別のある年頃(たとえば高校生以上)でも「昔、やんちゃしてましてぇ。」なんて使う。「不良でした。」「悪行三昧でした。」と素直に言え!と言いたい。

「若気の至り」も嫌だなぁ。若いから人間的に練れていなくていろいろやっちゃうんだよ、みたいな免罪符に使われるから。「旅の恥はかき捨て」に至っては言語同断。旅先なら自分のことなど誰も覚えていないだろうから好き勝手やっちゃえ、みたいな身勝手さを感じる。

ほかにも「情けは人の為ならず」「他山の石」とかいろいろあるなぁ。でもまぁ、ストレートに表現しにくいことを、こうやって遠回りに表現するのは、日本語の良さだな。なので、ブログ主はこれらの言葉を否定するとか使うなという立場ではない。ただ誤って用いたり、自分を利するために濫用したり、そういうのがちょっとな、と思っているのだ。

なんてことを、校正をしながら気にしていたりする。ちょっとした病気だと思って、生暖かい目で見守ってほしい。

コメント