本を読んでみた記「貯金兄弟」(竹内謙礼・青木寿幸)

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忙しいとは言いながら、本は読んでいますぞ。こういうときこそ、本を読まないとね。

で、知る人は知るベストセラーシリーズ。PHP研究所から出ている竹内謙礼さん、青木寿幸さんの共著によるノベルスタイルのビジネス書です。会計を扱った「会計天国」、事業計画を扱った「戦略課長」(投資ミサイル)、マーケティングを扱った「猿の部長」に続く第4弾が「貯金兄弟」です。

まぁもともとタイトルから内容が想像しにくいのですが、「貯金兄弟」とはどのような内容なのでしょうね?

一言で言えば、兄弟と親子、人の情というものがテーマです。って、ビジネス書じゃないの!?

今までがビジネスネタで、個人というか普通の人向けの内容は今回が初めてでしょう。タイトルは「貯金」となっていますが、内容はお金の貯め方と使い方になっています。なぜかお金が貯まらない、気が付くと無駄遣いをしてしまう、こんな悩みは誰にでもありますよね。この本は、そんなときにどのように考えて行動すればよいか、示してくれるものになっています。

タイトルに「兄弟」があるとおり、主人公は2人の兄弟。この2人、まったく同じ境遇で育ったにもかかわらず、お金に対する考え方が真逆なんです。楽天家で浪費家の兄、悲観的で節約家の弟。虐待の限りを尽くされた義父のもとを逃げ出し、児童保護施設での生活を終わらせ、2人が自活するようになってからがお話のスタートです。

兄は大卒で広告会社勤務、弟は高卒で消防士(公務員)。これって前提として重要ですからね。あと、これは秘密ですが、弟はある特殊な能力を持っているらしいのです。どのような能力かというと、「USOジャパン」や「たけしの世界七不思議」のようなレベルなのです。それは楽しみとして置いておいて。

まずは第1章。大卒の生涯年収が高卒より3千万円少ない理由とは?

大卒のほうが給料はいいはずだし、大学時代の4年間なんて簡単に取り戻せますよね? って、本当にそうなんでしょうか? 高度成長期ならいざ知らず、今はどっちが得なんでしょうね? 大金を使って子供を大学にやったけど、それって果たして子供のためだったのか・・・?

第2章。給料は人並み、お金を貯める気もあるのに、なぜ貯金残高は0のなのか?

うっく。耳が痛いですね。夫婦共働きで世帯収入は1千万円ぐらいあるのに、なぜかお金が貯まらないという人の話は日経の良いネタです。意外と浪費しているということが多いですが、やっぱりお金はあれば使ってしまうもの。ではどうすれば?

第3章。生命保険は住宅の次に高い買い物。

じゃ、住宅を買わなければ1番目になるんだね。でもこれって結婚して世帯を持つ前提だよね。というグチは置いておいて。先日、保険の転換をした私にはまさにタイムリーな話題。最小限の投資で最大の補償を受けるにはどこを見たらいいのか? それすら考えずに保険を買ったりしている人が多いんですって。あ〜あ。

第4章。住宅ローンは固定金利と変動金利、どっちがお得?

利率だけ見れば変動金利のほうが圧倒的有利、固定金利を選ぶのってばかじゃね〜の? チッチッチッ、変動金利の「変動」の字が見えねぇのか、このstupid! このあいだも、メリケンの国で利上げしたばっかじゃね〜か、バーロー。こういうのに左右されるのが変動金利で、いきなり金利が上がっても文句言えねぇ。固定金利は文字通り石のごとく変わらねぇ。さてどっちがいいのか?

第5章。家を買ったほうが賃貸より正解なのか?

ふ。すでに持ち家があるので時すでに遅しだが、どっちがいいんだろうね? 家を買えばローンがあるし、完済してもマンションなら管理費が必要だし、どっちにしろ固定資産税もかかる。賃貸ならそんな心配はないけど、年取ったときに入居できないとかいうリスクもある。これってけっこう重要だよね。衣食住の一つだからさ。

第6章。老後にいくら資産があれば安心なの?

煽るよね、日経とか。3千万とか、1億とか、そんな金なんてどうしたら貯まるっつーの。でも、この話には大きな前提が抜けている。それは、その人のライフスタイルに大きく影響されるってこと。都会で持ち家を保持したまま子供や孫を呼んで楽しい暮らし、田舎に引っ込んで野菜を育ててできるだけ自給自足の生活、では必要なお金も変わるというもの。なので、一律には決められないと思うけど、本当にそうなのでしょうかね。

ということで、生きていく上で身近な話で、興味深く読めるお話と思います。ラストは圧巻、結局のところ人生とは、自分の価値観に合う人をいかにパートナーとして見つけるかということですかね。青木さんの本はこのあたりがいつも深いので、また今度お伺いしてお話を伺いたいと思っている次第です。

貯金兄弟 (PHP文庫)

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