RAID対応NASを導入する(1)―背景編

こういう記事を書くのは楽しいですね。だんだんとコンピュータを「いじくる」ことが少なくなってきているのですが、たまには我が家のコンピュータシステムに新風を当ててやりましょう。ということで、急に思い立って我が家のネットワークにNASを入れてみることにしました。その導入記を、何回かに分けて書いてみようと思います。

BUFFALO 〈リンクステーション〉RAID5/Webアクセス機能搭載 DLNA対応 ネットワーク対応HDD 4.0TB LS-Q4.0TL/R5 バッファロー:LS-Q4.0TL/R5

NAS(ナス)とは、Network Attached Storageのことで、直接ネットワークに接続する記憶装置(ハードディスク)、という意味になりましょうか。

従来、ネットワーク内でデータを共有したければ、ファイルサーバ用のコンピュータを設置し、そのサーバOSを経由して共有データにアクセスする、という方法しかありませんでした。この方法では、サーバ用にコンピュータが必要、しかもOSも必要、という具合にけっこう費用のかかるものだったのです。

この方法では、データをネットワークで共有したいだけなのに、高価なPCに高価なOSを入れて、しかもそのほとんどの機能は使わないというムダを抱えていました。しかし、何年か前にはデータの共有に機能を絞ったNASが登場し、今では性能も向上して価格も安くなり、一気に普及しようとしています。

今のNASは、ちょっと前のNASと比較して、非常に機能が強化されています。中でも注目したいのは、RAIDをサポートしているということ、あとはDLNAという家電用の規格をサポートしていることです。

RAIDとはRedundant Array of Independent Disksの略です。Independentの部分は、Inexpensiveと書かれることもあります。簡単に言ってしまえば、ハードディスクにおけるデータ保護のための技術です。データ保護以外に、パフォーマンスを上げるという用途もあるのですが、本来重視したいのは、データ保護の方です。Disksとあるように、複数のハードディスクを組み合わせ、論理的なハードディスク装置を構成します。

RAIDにはいくつかの方式があり、それは数字で区別されます。今のNASは、家庭用のものでもRAID「1」やRAID「5」といったデータ保護のための方式をサポートしています(RAID「10」というさらに徹底した方式もあります)。たとえば1台のハードディスクが故障しても、残ったハードディスクが回復のための情報を持っており、故障したものを新しものと交換することで元通りに復旧できる、といったものです。データ容量が大きくなればなるほど、データ保護については重視したいものです。

DLNAとは、Digital Living Network Allianceの略です。読んだとおり、リビングのネットワークに関する規格、すなわちデジタル家電のためのネットワーク規格です。この規格に準拠したNASを使えば、同じくDLNAをサポートするデジタル家電(ハイビジョンテレビ、HDDレコーダーなど)でデータを共有できます。つまり、NASに動画を置いておき、ハイビジョンテレビで再生する、といったことが可能になります。さらに、PS3といったDLNAをサポートするゲーム機でも、使用することができます。

と、機能的に面白くなってきているNASなのですが、問題なのは、果たして何を導入すればよいの?ということです。次回は、機種選択について書いてみましょう。

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