編集者のお仕事。実はつぶしがきかない?

編集者の仕事って、いったい何だ?と聞かれて、当人以外で即答できることは少ないのではないか?お医者の仕事、弁護士の仕事、プログラマーの仕事、というのはよく知られているかイメージしやすいだろうが、編集者の仕事とは?

ムムム。

最近、社内でも編集者の仕事というのが意外と理解されていないと感じることが多くなった。

マンガ「サザエさん」に出てくる作家、伊早坂先生の担当編集者はご存じ波野ノリスケだが、原稿があがるまで張り付いてお茶でもいただきながら待ち、原稿があがったら印刷所へひとっ飛び、みたいなイメージだろうか?

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そんなだから、原稿があがればあとは印刷して本とかになる、と思ってしまうのか?

しかし実際は、マンガ「ケロロ軍曹」に出てくる日向ママの勤める出版社の編集部にイメージが近い。というか、アレは編集部だから、イメージが近くて当然か。

時間もないので詳しくは端折るけど、編集というのは「編み」「集める」と書くように、一冊の本、一本の作品を仕上げるために必要な諸々を集め、かつそれを足したり削ったり変えたりという作業を行うのだ。だから、ある意味、原稿をもらってからが勝負と言える。よい本に仕上げるには、よい原稿はもちろんだが、よい編集作業があってこそだ。

そういうことで、「編集の仕事って何だ?」と聞かれたら、「本を作るのに必要なすべてのものを集め、それらをベストな形に加工し組み立てるのが仕事だ」と言えばよい。本を作るという作業の中心的存在とも言えるだろう。何しろ、ひとりの編集者から伸びている腕は、作家(著者)さん、装丁師(カバーデザイナー)、イラストレーター、DTPオペレーター、編集プロダクション、書店営業、印刷所、書店、編集部の上司、はてはメーカーの広報や新聞社の書評コーナー担当者など、あらゆるところに伸びているのだ。

一度、絵に描いたら自分の仕事のたいへんさに改めてビックリしたことがある。これでいて、実はもっともつぶしのきかない職業とも言われているのだ。一見、何でもできるように見えて実はつぶしがきかないという理由を、一度探ってみたいと思っている。

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