秋の散策

10月に入り、すっかり秋という気配である。しかし、セミはまだ鳴いているのだ。夏の終わり、秋の初めとも言えるこの微妙な季節には、まだまだ生命の気配が渦巻いている。

場所:新治市民の森(神奈川県横浜市緑区)
撮影機材:キヤノンEOS 40D+タムロンA20E

ちなみに今回は、40Dの機能であるライブビュー機能とマニュアルフォーカスを使って撮ったものである。普段のオートフォーカスとはひと味違うと思うが、どうだろうか。

刈り取られた稲が、干されている。脇には、役目の終わった案山子が…。

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細い藪の中の道を進むと、大きな茶色がひらひらと舞う。何かと思えば、クロコノマチョウである。大型のジャノメチョウの仲間だが、翅に写真の通り、大きな突起があるのが特徴。ちょっと珍しいチョウである。留まってしまえば、枯れ葉のように見えて紛れてしまう。黒い、木の間、蝶というネーミングであろうか。本当に、うまい名前を付けるなぁ、と思う。

Kurokonomachou_01

ガマズミの実。

Gamazumi_01

ミゾソバ(溝蕎麦)。先がピンク色をしたのと、白いの。水路の脇とか、湿ったところに群生する。その名のとおり、蕎麦の花に似ている。

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カシワバハグマ(柏葉白熊)。カシワバは、葉が柏の葉に似ているから、ハグマというのは、そういう動物の尾の毛に似ているからだそう。

Kashiwabahaguma_01 Kashiwabahaguma_02

サラシナショウマ(晒菜升麻)。細いブラシのような白い花が咲く。そういえば、台所(私はキッチンとは言わない)にあったなぁ、こういうの。車の中にも入っていたな。

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ツクバトリカブト(筑波鳥兜)。文字どおり、茨城県筑波のあたりに特有の種ということらしいが、この同定には自信がない。実は、市民の森愛護会の方が掲示している表から、判別したものだ。いろいろ調べてはみたが、大きなズレはなかったようだが…。ちなみにツクバトリカブトとは、ヤマトリカブトより高地に生えるもののようだ。葉が三裂するのが特徴らしい。

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アザミ(薊)。これは野原薊。2枚目のは、渦を巻いている感じが珍しくて、撮ってみた。多分、これもアザミである。

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いきなり全部は無理だから、少し分けてみようと思う。

コメント

  1. 野の花 より:

    秋の野の散策・・・またまた素敵なものとの出会いがありましたね。ハデ干しされた稲・・・なつかしい風景です。こちらでは何段もの高いハデを立てました。子供の頃に手伝って、体に稲クズが入って、チカチカしたのを思い出しました。今ではその農家が食べるくらいしかハデ干しはしていません。とても手間のかかることですから。

  2. なおさん より:

    野の花さん、
    「ハデ干し」というのですか、知りませんでした。ちょっと調べましたら、天日乾燥のことなんですね。ここは、農業教室の農園みたいな感じなので、稲を鎌で刈り取り、干すというのをきちんとやっているんでしょうね。
    自分の原風景というのにはないのですが、何かほっとする風景です。

  3. 野の花 より:

    今は米は乾燥機で乾燥されるのが普通ですが、農家は家で食べる米だけはハデ干しにしたりしています。味が格段においしくなります。とてもぜいたくな事です。昔は収穫した稲はすべてハデ干ししていました。稲を刈り取ると、田の周りに高いハデが立ち、そこに稲を掛けて干すのです。運悪く台風襲来となると、そのハデがひっくり返って大変な作業が待っていました。もう一度やり直し。しかも、水分をしっかり含んで重くなった稲を今度は掛けなくてはならないのです。昔は米作りは本当に大変な重労働だったことが思われます。

  4. なおさん より:

    野の花さん、
    本当に手間のかかる、贅沢なことですよね。そんな手間をかけてもらうほど、今の消費者には資格があるのか、そんなことも考えてしまいますね。
    機械干しにしろ、何でも、食べ物は大切にいただきたいものです。ちなみに私は残さないので、メタボ体格です。笑