虫歯本格治療開始!(2)

虫歯を本格治療するシリーズの2回目である。

このシリーズの記事:
虫歯本格治療開始!(1)

いやぁ、今回は痛そうだ。って、本当に痛かったんだが。

前回は、麻酔だけで話が終わった。麻酔をするにも何段階ものステップを経て行うものだと勉強になった。今回は、麻酔が効いたところで、ドリルで穴を空けて、神経のある穴(根管)を掃除するという話だ。書いているだけで歯がずきずきと痛んでくるのだ。

「では、はじめましょうか。」という先生の声で、口の中にドリルが投入される。助手の女性が、唾液や削りカスを吸い取る掃除機?のようなものを口の中に挿入する。ドリルは、前回に削って埋めた箇所(すなわち虫歯の穴)ではなく、歯の真っ正面(というか噛み合わせの面)から掘り進んでいるようだ。この時点ではそれがわからなかったのだが、あとで説明を聞くと明らかになった。

削る。ひたすら削る。麻酔が効いているので痛みは感じないが、微妙な振動と、ドリルによって削られている歯の削りカスのようなものの雰囲気は感じることができる。とにかく掘って、掘って、掘って、穴を空けるのが最初のステップだ。時間はかかるが、何ということはない。ただ、一回だけずきっとした感じがあって、それが伝わったらしく4回目の麻酔となった。つごう、3回、針を突っ込まれたわけだ。

しかし、長時間、口をけたままというのも辛いものだ。普段は、口をこんなに長い時間空けていることはない。あごが痛くなってくるのに加えて、口の中に唾液が溜まるのが辛い。だがこれは、助手の女性が吸い取ってくれるので、ぎりぎりのところで踏ん張ることができた。

ひととおり掘削作業が終わると、ドリルが抜かれる。すると、細い針金?のようなもので歯をゴリゴリ、ゴリゴリと。あ~これが根管に何か突っ込んでる状態かと冷静に捉えつつ、それもけっこう時間がかかっているので、だんだんと不安になる。先生も、「もっと細いの!」とか注文が厳しくなってきており、突っ込むのを中断してはまたドリルでガリガリと、もしかしたら難航している?といった不安が頭を覆い始めた。先生の口からため息が出たり、これからどうなってしまうの?と口を開けたまま考える。

とまぁ、こうしているうちに処置は終わったようで、薬剤をしみ込ませた脱脂綿を挿入、そして詰め物という段階になった。詰め物は、熱で柔らかくしてあるらしく、それを詰めるときに「熱いかも知れないですけど大丈夫ですから」といわれたが、その直後に唇に熱い感触があって思わず反応すると、「熱いかも知れない、と言ったから反応してしまったんですね。」って本当に熱かったちゅうの。まぁ、火傷するといった類のものではなく、暖まった器具がちょっと触れてしまった、という程度のものだ。

このあと、実際に穴を空けてみての治療の方針という話になった。根管は、計3本で、今回はその1本を集中的に処置したということだ。ただ、残りの2本は異様に細くなっており(虫歯にかかると、原因はよくわからないが細くなるということだ)、こっちは難儀しそうだという説明を受ける。時間はかかるだろうが、丁寧にやっていきますので、という言葉にひとまず納得する。

というわけで、書いてみると山場もなく、あまり痛みも伝わらないような感じだが、治療中は痛くないのだからしようがない。だが、本番はこの1時間後にやってくるのだ。

今回も薬を出すというが、前回のものがまだ残っていると伝えると、不要ということになる。痛み止めも封入してあるので大丈夫と思うが、まれに痛みが出る人もいるので、痛くなったら薬を飲んで、そして電話して下さいと、どこかの保険会社のCMのようなポーズで伝える。唖然としていると、先生は引っ込んでしまったが、次回の予約をとらなければならない。次回は一週間後ということにして、その日は帰る。

治療費は、本人3割負担で2,000円もないから、医療費の総額は6,000円ほどだろうか。1時間近く、2人がかりでドリルで削って穴をほじくってという割には、こんな感じかという気がするが、案の定、根管治療は儲からないそうだ。やはり、歯医者は保険適用外の診療で儲けるしかないのだ。先生のため息も頷ける。

さて、この日はそのまま職場に帰り、仕事を続行しようとしたが、しばらくすると麻酔が切れたらしく、歯のあたりに違和感が出始めた。最初は、治療した歯よりずっと離れた前歯とかに違和感。歯茎がむず痒いような感じで、何とも気持ち悪い。それが、隣の歯に移る。という感じでだんだんと当事者である歯に近づいていく。だが、当事者の歯は、「むず痒い」というものではなく、「痛い」のであった。う~む、これは薬を飲むべきか。まだ診療時間中だから、電話すべきか?でもこの程度の痛みは、我慢できないものではない。などと考えていたら、いつの間にか痛みがひいてしまった。

思えば、神経のある場所をこじ開けてほじくり回しているのだから、痛くない方が変である。昔、陥入爪の手術で術後に麻酔があっという間に切れて、死ぬような思いで家に帰ったのを思い出した。切れば痛い、心理である。

陥入爪治療記(イントロダクション) – 健康メモ – なおさん亭::新館

というわけで、次回は同じ箇所をこじ開けて、またも根管治療をするという話になる(と思われる)。同じような展開になることを予想するが、そうだとしたら端折るつもりだ。こうご期待。

コメント

  1. kana より:

    いやいやいや・・・難儀されましたね。
    実家も婚家もこの業種なので、とても興味深く拝読させていただきました~w
    ?な部分もあるのですが、「保健適応で儲からない仕事に時間をかける歯科医」というのは、おおむねまっとうな人間がおおいので、なおさんはこの先生を信頼してコツコツ治療に励んでくださいね(^_-)-☆  

  2. なおさん より:

    おお、kana殿。
    そういえば、そういった関係でしたな。かの日の出来事が蘇りますな。
    ?の部分をできれば教えてもらいたいものですな、今後のために。
    まじめな先生というのは伝わって参ります、信じて身を委ねる所存です。
    どうぞ、今後ともよろしゅうに。

  3. 野の花 より:

    >書いてみると山場もなく、あまり痛みも伝わらないような感じ
    いいえ、私には伝わりました。とても細やかでリアルな描写、手に取るようにわかります。実際に自分が歯科治療を受けているのを想像して、ますます足が遠のきました。一瞬でも「ズキッ!」は恐怖です。幸いあれから傷みには襲われていません。安堵しています(笑)。

  4. 7 より:

    いや、もう、ダメ…。
    ドリル穴開けが「点」の衝撃的痛みだとしたら
    神経除去は「線」の継続的痛みというか…。
    過去の体験を思い重ねただけで、あ〝ーーー!!
    そしてよせばいいのに、陥入爪治療記まで読んで
    ゔーーー!!…なんという大河ドラマ、壮大なサーガ。
    まだ続くのー?という絶望感。
    最後に訪れる安堵感。
    なにか「13日の金曜日」を思い出しましたよ。
    記事中に写真が無いのがこんなに嬉しい事とは…。

  5. なおさん より:

    野の花さん、
    その一瞬が命取り、ですぞ。
    どうぞ手遅れにならないうちに…。
    抜くしかないとなったら、それはまた恐怖ですから…。

  6. なおさん より:

    7さん、
    今度は写真付きで行ってみたいものですな、プライベートな範囲で。
    まぁ、こんなのを書き連ねているあたりで、自分の恥をさらしているだけという気が。
    まぁ、あくまでも「参考になれば!」程度のものなので、そういった視点で読んでもらえればと。

  7. 7 より:

    これらの記事に写真は危険過ぎます…。
    私も今まで何かあっても「寝たら治るさ!」精神で来ましたが
    今後はなるべく速やかに病院行こうと思いましたよ。
    経済的範疇で。

  8. なおさん より:

    7さん、
    陥入爪の記事で、写真を撮っておけばよかったとすごく後悔。今なら、絶対撮るでしょうね。
    何にしろ、ちょっと変だと思ったらすぐに医者に診てもらった方が、被害は少なくて済むということはわかっていますが…。
    歯が治ったら、またほかの場所のために医者に行かなければ…。