RAID対応NASを導入する(2)―機種選択編

前回は、NASのあらましについて書きました。今回は、どのようなNASを選んだか、ということについて書きましょう。

BUFFALO 〈リンクステーション〉RAID5/Webアクセス機能搭載 DLNA対応 ネットワーク対応HDD 4.0TB LS-Q4.0TL/R5 バッファロー:LS-Q4.0TL/R5

私がNASで重要視したのは、もちろん価格もですが、容量、RAID、DLNA対応、でした。このほか、静音性やエコ性能などといったものも大事なのですが、すべてを取ろうとすれば満足するものなどあるわけありません。そこで、優先度を決めて、機種を絞り込んでいこうということです。

ちなみに、ちょっと前に勤務先でNASの導入があり、そこでの機種選択も参考になりました。個人向けにNASを出しているメーカーの中で、「バッファロー」と「アイ・オー・データ機器」という二大周辺機器メーカーの比較になったようですが、最終的にはバッファローの機種になったようです。

一週間も経たないうちに、ハードディスクの1台が止まるというオチも付いていましたが…。

アイ・オーの機種に比べると、バッファローの機種の方が、拡張性などに優れているようです。また、大容量モデルも、バッファローの方に分があるそう。そこで、まずはバッファローの機種をチェックしました。

この記事を書いている現在(2010/2/23)、こんな機種があるようです。

基本、2TB以上のモデルがあるものをピックアップしています(ちなみにTBは、「テラバイトですよ。1GBの1000倍です)。手持ちのデータをすべて置くには、2TB以上は最低限必要だからです。最後のが1TBしかないじゃん?という声もありますが、このモデルには、隠しワザがあるのです。

ここで、RAID5に対応しているのは1番目と3番目のみです。2番目は、RAID1までにしか対応していません。RAID5とRAID1で、そんなに違いがあるの?と聞かれそうですので、簡単に。双方ともデータ保全のための仕組みを持っていますが、その方法が違います。

RAID1では、同じデータを2台の異なるハードディスクに記録することで、データを保全します。いわば、コピーを常に持っているわけです。なので、片方がダメになっても、もう片方で代替できます。片方で動いている間に、壊れたハードディスクを交換してやれば、またコピーを作り始めます。非常に安全な方式です(ただし、コピー作成中にもう一方も壊れたら、万事休すです。その確率は非常に低いですが)。構造上、2台のハードディスクが必要になります。

RAID5は、データを異なるハードディスクに分散して記録しますが、その際にデータ復旧のためのデータも記録します。仮に1台のハードディスクが故障しても、残りのハードディスクにある復旧用データを用いて、自動的に故障した分を補います。残りで動いている間に、壊れたハードディスクを交換してやれば、またデータを作り始めます。完全なコピーを作るRAID1には及びませんが、安全な方式です(こちらも、復旧中に残りのどれかが壊れたら、万事休すです)。構造上、3台以上のハードディスクが必要になります。

安全なのがRAID1なら、RAID5ではなくてRAID1にすればいいじゃないかと言われそうですが、RAID1は、搭載したハードディスクの容量の実質半分しか使えないのに対して、RAID5では2/3以上が使えます。つまり、実際に使いたい容量を大きくしたければ、RAID5の方が優れているわけです。しかも、読み書き性能はRAID5の方が上です。

ということで、今回は容量も重視したいので、安全性を多少犠牲にしても、RAID5を採用したいわけです。なので、1番目と3番目なのです。

DLNA対応は、すべてがそうなので、あえて考慮しなくてもよいようです。

さて、1番目と3番目のどちらかかということですが、1番目には4TBモデルがあり、普通にこれを選べばよいようです。ですが高い!メーカー希望小売価格で、10万円以上もします。流石に、こんな大金は払えません(これくらいの価格のレンズはたくさんあるのですが。笑)。そこで目をつけたのは、3番目です。

なんとこのNASは、ディスクを自分で増設できるのです。しかも、メーカー純正のものではなく、普通のバルクHDDでも増設が可能なのです。そのためのアタッチメントも標準で付属しています。感覚的に、3番目にフル増設すると、1番目の4TBモデルになるという感じです。普通にバルクHDDを買ってきた方が絶対に安く済む!と思い、一度はこの路線が確定でした。

ここで皮算用。1番目の4TBモデルをAmazonでチェックしたら、約78,000円でした。あまり安くないところか、高い。3番目のモデルを同様にチェックしたら、約23,000円でした。1TBのバルクHDDは、高くても約9,000円で売られています。

  • 1番目:約78,000円
  • 3番目:約23,000円+約9,000円×3=約50,000円

おお!約28,000円も違う。これは後者の方だねと勇んでバルクHDDを買いに、地元のPCショップに行きました。そこには、9,000円より安いHDDがたくさんあったので、もっと安く済むな、とほくそ笑みました。本体の方は、Amazonで買えばいいかな、と思っていたのです。

ところが、そのショップに、1番目のがあったので、何気に値段を見ました。何と、54,000円です。何かの間違いでは?と思いました。Amazonより、24,000円も安いのです。これは、機種番号などの間違いに違いないと思い、そのまま家に帰り、改めて機種番号を調べましたが、間違いないのです。電話で確認し、それでも間違いなさそうですので、取り置きを依頼して、すぐに買いに行きました。

それでも、3番目のものにバルクHDDで増設していったものに比べればやや高くなるのですが、ここは保険ということで飲める範囲です。そこで、数千円の価格差で、4TBのモデルを無事ゲットです。それにしてもメーカー希望小売価格の半額とは、やってくれます、某ショップ。あとで店員さんが怒られていなければいいのですが…。

くどくどと長く書いてしまいましたが、冒頭の商品写真にもある、バッファローLS-Q4.0TL/R5を購入しました。次回からは、このセッティングに進みます。これがけっこうたいへんです。

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