初秋の新治市民の森(1)―その前に

神奈川地方は、もう秋の気配。でもまだまだ夏の気配も頑張っている、そんな微妙な季節が今。9月のうちに行っておきたいね、と思っていた新治市民の森に行ってきました。この日も、高速道路や一般国道は大渋滞。皆さんご苦労様です、ということで近くのいいところに行ってきたわけです。

新治市民の森

でもまぁ、リフレッシュしようと出掛けているのに、却ってストレスが溜まるのはどういうことなんでしょうね。それもこれも、「放せばいいんでしょう」「皆やっているよね」といった人たちのせいでしょう。

夏の盛りが過ぎて、過ごしやすくなってきたせいか、里山には人が帰ってきました。でも、帰って欲しくない人も帰ってきたのも事実。夏のようではあるが、出掛けるのも大変でない、今頃の季節は、たくさんの人を呼び込みます。

全体的な嵩が増えれば、確率論的に駄目な人も増えるのが道理。そんな渦に巻き込まれたのが今日でしょうか。

大きく3例。無視するわけにもいかず、放っておくわけにもいかないものを、リアル、バーチャル、両方で取り上げましょう。

まずひとつめは、常見谷戸です。大きな水溜がありますが、そこに入ってひっきりなしにザリガニ取りをする親子。完全装備、大きな網、バケツ、長靴、嬌声を上げる末っ子に刺激され張り切るお兄さんとお母さん。のべ1時間ほどそんな感じでやってましたでしょうか。池の中にざむざぶ入って、どんどん取っているのを見て、さすがに声を掛けました。

「放しますから」これって、最近の模範回答ですね。採って帰らないからいいんだと、そういう理屈でしょうが、さんざん水溜の中を歩き回って、あちこちずたずたにしているという感覚はないんでしょうか?以前、瀬上市民の森でも、小川に入ってヤゴやら小魚やらを捕まえていた親子がいましたが、それも「放せばいいんでしょう?」でした。

まったく悪気はなかったような感じでしたが、こういうのがダメなんでしょうね。これなら、確信犯の方がまだ話のしようがあります。

ふたつめは、池ぶち付近です。大きな捕虫網を掲げた親子。セミやらチョウやら、片っ端から捕まえているようす。でもまぁ、子どもの虫かごは空のようなので、放っておきましたが、湿地に下りて、ゲンゴロウを捕まえて虫かごに入れているのを見て、さすがに声を掛けました(ゲンゴロウは水生昆虫です)。

そのとき、ちょうどジャコウアゲハを泥だらけの網で捕まえたときでした。何しろ、ゲンゴロウを水の中で掬って、そのまま空中で振り回しているのですから、これはジャコウアゲハがかわいそうです。「みんな、網持っていますよね?」って、皆じゃないですよ。ごく一部の不届き者だけです。

そもそも、自然を保全しようというコンセプトの市民の森、そこで好き勝手していたら、意味がないでしょうが。テーマパーク的な感覚で来ているのでしょうが、それだったら来てくれない方がよいと皆思っているでしょう。なんだかゆとりの端的な一面を見たような気がして、一気に疲れました。

最後は、プロです。大きな捕虫網を掲げた2人の中年。プロと言ったのは、発する言葉から。「ミヤマなんとか」とか、そういったものです。そのへんにいる普通の昆虫には興味がないようで、珍しいものなら一気に捕獲しようということらしいです。でも、この人たちには声を掛けませんでした。実際に捕まえているところは見ていませんし、プロなら無茶はしないだろう、という楽観的な見方からです。

我ながら、こう言うことを書いていると、嫌な気持ちになりますし、読んでいる人も、なんだろうこの人、とか思うだろうなぁ、と思います。直接言うのは、なおさらです。あとで、その人たちに会ってもいい気持ちはしません。しかし、「あのおじさんが言ったから」とか「ダメなんだって~」とかいうのは勘弁ですね。皆さん、自分自身に基準を持っていないのでしょうか?ではそのあと、誰かが「いいんですよ」といえばOKなんでしょうか。

こちらは四季折々の里山に触れたいだけなのですが、そこで搾取をしようという人で台無しになる、そういうことを言いたいだけです。里山はテーマパークではありません、ディスニーランドとは違うんです、というごく単純なことだけ言いたいと思いました。愛護会の方は、一帯を保全しようと頑張ってらっしゃいます。その端っこを食い荒らすような真似は、控えなければなりませんね。

コメント

  1. 7 より:

    無知、無思慮、無配慮の方により、
    突然降り掛かるストレス…。
    御心中お察しします。とても共感します。
    記事を読み、自分の過去にも原理は同じようなケースを思い出して、
    嫌な気持ちになりますもん(笑
    こういう事って…最近は、
    人生を生きる上で避けては通れない事だと思っています。
    「命、魂」の必修科目と思って、
    その場に出くわした際は腹をくくって挑戦するようしています。
    経験上、面倒な事から一時的に逃げられたとしても、
    忘れた頃更にパワーアップして目の前に現vウ知、無思慮、無配慮の方により、
    突然降り掛かるストレス…。
    御心中お察しします。とても共感します。
    記事を読み、自分の過去にも原理は同じようなケースを思い出して、
    嫌な気持ちになりますもん(笑
    こういう事って…最近は、
    人生を生きる上で避けては通れない事だと思っています。
    「命、魂」の必修科目と思って、
    その場に出くわした際は腹をくくって挑戦するようしています。
    経験上、面倒な事から一時的に逃げられたとしても、
    忘れた頃更にパワーアップして目の前に現れる気がします。
    相当面倒でもその場でクリアしといた方が結果効率的かと。
    逆の立場で考えると、
    (既に忘れてるかもしれないけど)自分も過去、
    無知や無思慮によりバカな事をしたり、
    同時に誰かにストレスを与えたり、とかを
    同じケースを経験する事で学習させられているのかもしれないですしね。

  2. なおさん より:

    7さん、どうも。
    二重書き込みが心情を表しています。笑
    これに限ったことではないのですが、小さなことを放置すると、それが積み重なって大きな崩壊となってこの身を襲う、ということはよく言われます。
    ビジネスでも、それを毎日のように体験しているのも事実。小さな嘘をかばうために話がどんどん大きくなる。しまいにはどうしようもならなくなってしまう、そんな話はしょっちゅうです。
    まぁ、あえて小言じじいを続けようかと思っています。いろんな面で。