このテーマも久しぶりです。おい!お前も編集者の端くれなら、ニッチなITネタや食べ物の話ばかりでお茶を濁しているのではない!という声が右斜め前方から聞こえてきたので、はっと昼寝から目覚めた私が久しぶりに書いてみます。
とはいえ、今やっている本の内容や予定とか、そういうことを書くと職務規程に引っ掛かって明日から路頭に迷うことになるので、どこに持っていっても通じるような話になりますよ。
ということで、お題「PDF校正で得られるもの」です。いざ書いたらとても長くなってしまったので、数回に分けていきます。
今月(2月)に担当した本で、最初から最後まで(ほぼ)すべてPDF!というのを実践しました。最初から最後まで、というのがよくわからないと思いますが、私の場合、編集作業と校正作業の工程はだいたい以下のようになっています。
脱稿(著者さんから原稿が全部出ること)
↓
原稿整理(この過程で出る疑義は著者さんに聞いたりして随時修正します)
↓DTP作業(Adobe InDesignなどを使います)
内校(1)(編集者が行う最初の校正)
↓DTP修正
著者校(1)(著者さんが行う最初の校正)
↓DTP修正
内校(2)(編集者が行う2回目の校正)
↓DTP修正
著者校(2)(著者さんが行う2回目の校正)
↓DTP修正
内校(3)(編集者が行う3回目の校正)
↓DTP修正
著者校(3)(著者さんが行う3回目の校正)
↓DTP修正
念校(入稿前の念入りな校正)
↓DTP修正
入稿(印刷所へデータを入れる)
↓
出校校正(編集者が行う最後の校正)
↓DTP修正
校了
実際には、スケジュールの関係でこんなに校正回数が多くない場合もあるのですが、理想的なパターンを書いてみました。
通常は、内校(1)と著者校(1)には多くの赤字が入り、(2)(3)では少なくなっていきます(中には増えるケースも!うへぇ!)。
これまで(というか去年までは)、すべての工程で校正紙をプリンタ出力、著者校(1)と場合によっては著者校(2)については校正紙を宅配便で送る、などしていました。著者校(3)についてはほとんど確認だけという意味で、PDFをメールやインターネットストレージ経由で送ったりしていました。
ですが現物のやり取りは、経費も時間もかかるのですよね。もちろん、梱包する、梱包を解く、宅配便の送り状を書く、などの手間も双方にかかります。北海道や沖縄では、到着に2日かかることもあります。
このような流れと現状を理解して、次回は最初のチャレンジについて書いてみましょう。
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