【つぶやき】ファーストサーバ事件は他山の石か?

レンタルサーバサービスのファーストサーバで去る6月20日、ユーザーのデータがすべて吹っ飛ぶという近代にはまれな事件が起きました。私も昔、一時的にファーストサーバを使っていたことがあり、あながち無関係に思えませんでしたので、そのあらましと得られる教訓を簡単にまとめてみることにしました。

レンタルサーバーの【ファーストサーバ】

今回の事件は、ユーザのデータがすべて吹っ飛ぶというものでしたが、なんでこのようなことになってしまったのでしょうか?原因についてはどこかでまとめられていると思いますが、私の聞いたところによれば、こういうことのようです。

  • システムは、アクティブ・スタンバイ方式で多重化がサポートされていた。
  • 操作ミスで、アクティブなサーバのデータを削除してしまったが、スタンバイしているサーバがその状態をコピー、すなわちスタンバイしているサーバのデータも削除されてしまった。
  • 不思議なことに、バックアップ専用のシステムは存在しなかった。

要は、アクティブ・スタンバイ方式であるかそうでないかにかかわらず、バックアップがあれば最悪の状態は回避できたわけです。しかしバックアップは存在しなかった。この理由は何なのでしょうか?

ひとつは、コスト的な問題でしょう。バックアップの重要性は皆が認めることとはいえ、日常的には存在を意識することはないので、できれば余分なコストをかけたくないと考えるのが人情です。スタンバイしているサーバがあるから、それだけでも余分なコストなのに、さらにバックアップにまでお金をかけたくないというのでしょう。

もうひとつは、技術的な問題でしょう。おそらく、システムの設計者あるいはそれを管掌する経営層は、冗長化システムについて正しい知識を持っていなかったのではないでしょうか?アクティブ・スタンバイ方式を、バックアップを兼ねるものと認識していた可能性は十分あります。

あとは、この両方でしょうか。十分な知識もなく、コストを最優先したために不十分なシステムとなったわけです。

ひどいと思うのは、データについての保障は何もなく、システム停止に伴う利用不能時間に応じた返金のみに応じるということです。データは本当に失われており、返せと言われても返せないし、規約上そうなっていたのかも知れませんが、保障には応じられないということのようです。

これを機に、バックアップの重要性を再認識した方がよいでしょうね。転ばぬ先のバックアップと申しますが、手間はかかるがもしものときには「とってて良かった!」と期待を裏切らないのがバックアップです。まずは自分のパーソナルなデータから、バックアップを始めてみませんか?

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