情報は多けりゃいいってもんじゃない。列車緊急停止ボタンとAED。

@hatsune_さんのブログ記事が面白い。よいユーザーインタフェース(UI)、ユーザーエクスペリエンス(UX)とはどのようなものを言うのだろうか、考えさせられる。

[AED]緊急時に使うものに対する注意書き考察

画像は、@hatsune_さんの記事にリンクを貼らせていただきました。m(_ _)m

@hatsune_さんは、駅などに設置されている「列車緊急停止ボタン」をよい例に挙げていた。メッセージはいたってシンプル。どういうときに、どのように、使ってどうなるのか、ということが明確だった。

  • いつ使うのか:「電車を止めるとき」
  • どう使うのか:「ボタンを押す」
  • どうなるのか:「電車は止まります」

それに対して「AED」(自動体外式除細動器)。

いきなり、「緊急時以外、使用禁止」とある。ここにDon’tが書かれていては離脱する率が高くなるだろう。おそらくは、いたずらで使うことを防止するためだろうが、ここで利用を躊躇する人も出てくるだろう。

さらに言えば、英語、北京語、朝鮮語でも日本語と同じウエイトで書いてある。おそらくは外国人でも扱えるようにという配慮だろうが、割合的にはどれくらいだろうか?多くて数パーセントくらいではないかとブログ主は推測するが、果たして同じウエイトで扱うほどの情報だろうか?

Don’tがある上に言語情報も多いので、ワケがわからなくなって離脱してしまうのだろう。これが、3.7%という低い利用率の助けになっているような気がする。

@hatsune_さんは、自分だったらこうするという提案をしてくれている。

  • いつ使うのか:「意識のない人がいたら」
  • どう使うのか:「取り出してAEDの説明に従ってください」
  • どうなるのか:「AEDが診断し、必要な指示が示されます」

「AEDが判断し」という下りが重要だ。自分で正しく使えるだろうか?という不安を多くの人が抱えていると思うからだ。

最近、メッセージを正しく伝えるにはどう考えればよいか?ということに頭を巡らすことが多い。そのためには、メッセージを受け取る側の立場や気持ちに自分を持っていくしかない。意外と、相手に聞いてもわからないもので、やはり自分自身をそういうところに置くしかない。

UI然り、UX然り、やや跳躍して本のタイトルやオビのキャッチ然りだ。いったいこの人は何を伝えたいのかな?という思いを受け手の側から考えてみるのも一興と思う。

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