本を読んでみた記「猿の部長」(竹内謙礼・青木寿幸)

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こんばんは、エンジニャー的編集者こと、なおさんです。晴耕雨読と言いますが、雨が降らないので、本を読むペースが落ちてしまっています。とはいえ、最近は移動中にINGRESSにはまったり、休日にはモンスターハンターの新バージョン(MHF8)にのめり込んだりしているのですけどね。

でも、ビジネス書をちらちら読んではいたので、その感想などを。先日の「会計天国」「戦略課長」に続いて竹内謙礼さんと青木寿幸さんの「猿の部長」です。書名からして、某SF映画を彷彿とさせますが、どんな話なんでしょうね。当然、ノベル仕立てです。ついに、文庫版しかなくなりました。

本を読んでみた記「会計天国」(竹内謙礼・青木寿幸)

本を読んでみた記「戦略課長」(竹内謙礼・青木寿幸)

「会計天国」は会計の話。「戦略課長」は事業戦略の話。で今回は?というと、マーケティングのお話です。オビには、「営業戦略ノベル」ともありますね。マーケティング的な話はビジネスには不可分なので、これまでにも出てきたテーマではあるのですが、今回はあえてマーケティングがメイン、となっています。

くどいようですが、「猿の部長」。表紙からして、某SF映画を彷彿とさせますが、猿の住む星に落ちてしまった、という話ではありません。何かの間違いか祟りで、猿が経済を牛耳る世界に主人公が飛ばされてしまった、という方が正しいでしょう。

まさに、パラレルワールドを地でいくお話。

タイトルにもあるように、企業の部長職以上は、すべて「猿」。この猿ども、何かの拍子に脳が進化し、経済に関する能力だけ人間をしのぐようになったそうな。えええ、ホンマですか? しかも、猿は群れの輪を壊すことを嫌い、裏切らない。でも人間はたやすく裏切る。だから、人間は猿には絶対勝てない、そうです。

で、ライフ商事に勤めるチャラい中年マーケターである「滝川」は、何かの拍子(これは秘密)に猿が上層部を占める世界に飛ばされてしまうのですが、その世界でのライフ商事で、なんと5つの事業を成功させなければならないという、お約束のパターンになってしまうのです。

5つの事業を統括する部長は、マントヒヒ、キツネザル、メガネザル、チンパンジー、そして社長のゴリラ。表紙の彼は社長だったんですね、なるほど納得です。

滝川は、持ち前のマーケティングセンスで、部長ザルらを成功に導きます。あまりに昭和臭いアプローチに社長秘書の「黒河」もゲンナリしつつも、滝川の能力に徐々に気持ちが移っていきます。

しかし女性は怖い!最後の最後に怖い!でもこれは読んでからのお楽しみ。さらに!この世界で人間が猿に勝てなくなった理由が別にあるのですが、それは猿たちが徐々に明かしていきます。なるほど、だからああなって、最後はこう、う〜む、ちょっと掬いがないような気がしますが…。

新しいことを立ち上げるのに時間をかけてはいけない、時間をかけるとなんとでも成功させようと引くに引けなくなり傷口を広げる。うまくいかなくなったらさっさと引いて、別の新しいことを考える。この繰り返しの中から、何割かうまくいくものが出て来れば大成功である。

あああ、耳が痛い。1年もやっていてあまり成果が出ていない場合、あなたは止められますか?

これで、三部作?を読破しました。次は、どのようなテーマ、切り口でくるのでしょうか? ちょっと、と言うか、かなり楽しみです。

猿の部長 (PHP文庫)

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