奥多摩のそば処、手打ちそば「深山」

東京都の奥の奥、西多摩郡檜原村は、割と好きなところです。何しろ、行き止まりというのがいいですよね。気持ちよく走っていたら、いきなり道が終わり(笑)。もちろん、抜ける道もあるにあるのですが。季候も良くなってきた頃、檜原村にある「深山」(みやま)さんでお蕎麦をいただいてきました。

当然クルマで行くのですが、JR五日市線の武蔵五日市駅付近までとりあえず行き、そこから檜原街道をひたすら下ります。檜原村役場の先のT字路を右折して3kmほど。うっかりすると通り過ぎてしまいますので、注意して進みましょう。目印はこのあと紹介します。

駐車場は何カ所かあって、都道沿いの第1駐車場(屋根付きで3台ぐらい駐まれる)と都道から川沿いに降りる第2駐車場がメインです(半分路駐みたいなところもありますが)。第2の方が先に来るので、第1が埋まっているのを嫌った私たちは、さっさと第2に降りることに。これが、なかなかの傾斜。下をこすらんだろうなと心配しながら慎重に進み、秋川を渡った先にはガードも何もない橋。ちょっと怖いなぁと思いながらも先に進むのですが、結構な距離があるなぁ。こりゃ第1にしておけば良かったかなと少し後悔しつつも第2に駐車します。バックで駐めますが、簡単な車止めがあるだけなので、うっかりすると川に落ちます。笑 ここで記念写真をば。

結構な距離があるかと思いましたが、案内によればお店まで100メートルとか。食前食後にちょっと歩くにはいい距離ですね。秋川を渡るときにちょっとした風景も味わえます。水が青いんですよ、青いの。奥の方は、うっすら緑がかっています。

まぁここも都内なんだよな~と思いながらお店へ。一見、普通の住宅と変わらないのでうっかり通り過ぎてしまいそうになります。緑色の幟か、塀に貼り付けてある赤いレトロな看板を目印にした方がいいですね。ちなみに、この立派な家は住居のようで、店舗は右手の青い部分です。

赤い看板を拡大してみました。「シホはりすく」?あ、右から読むんですね。って、わざとらしいっつーの。でも特約店でも何でもないので、このお店にはこの手の看板が「腐る」ほどあります。レトロファンには堪らないかもしれませんね。

ようやくお店っぽい感じです。蕎麦粉は北海道知床の斜里産ですか、そうですか、それは楽しみですね。塀の上の鉄条網は、盗難防止用でしょうね。まさか、これを乗り越えてくる野生動物がいるとか?

旧民家(今も店舗兼民家)ですね。ロードバイクのお客さんが多いのか、バイクスタンドがあります。私たちの前にも、サイクルウェアに身を包み、ロードバイクを押す60前後の男性が入っていきました。そう、意外と単身のお客さんが多いようです、ここ。

おおっと!いきなりのお出迎えにちょっとビビります。しかし「いらっしゃいませ、こちらへ」と意外と融和的な雰囲気ですので、襲っては来ないようです。指示の通り右手に進みましょう。左手に干されているのはタマネギですね。

さらに案内が。謎の木臼の中には、クルマのホイールキャップのようなものが並べられています。う~ん、こんなのはまだ序の口なんですよねぇ。

住居の目隠しになっている塀に気になる「そば餅」の文言が。蕎麦好きとしては非常に関心のある一品ですねぇ。燻製にも興味があります。

お店の方のたたずまいです。なんかすごいですね、ここ。大村崑ちゃんのお馴染みの看板に、左手奥には蔵や他にもいろいろ。じっくり見てまわりたいところですが、ここはお蕎麦屋ですからね!の一言でお店の中へ。

大きな金魚。いや、錦鯉かな?

コカコーラのボトルの自動販売機ですか?栓抜きも付いているという。気になるのは「吉祥寺本町」の住所表示看板。ご主人、やんちゃしていなければいいのですが。

いい加減に食べ物の話に入れや。いやいや、お店に入る前から雰囲気を楽しめるところはそうありませんから、もう少しお付き合いを。

下足は脱いで上がります。引き戸を開けると(なぜか「にゃ~」という音がする)、そこには「うっひゃ~」という雰囲気が。4人掛けのちゃぶ台が2台で8人、囲炉裏を囲んだ席で10人ほど座れるかという感じですね。駐車場の規模からすると席が足りないんじゃないかという気もします。古いブラウン管TVの上に最新鋭の液晶TVがあるあたり、いろんなギャップにクラッときます。

なんかもう、古いものを集められるだけ集めたという感じですね。甲冑…。日の丸は寄せ書きですよね、しかも起床ラッパ?(突撃ラッパかしら)今気付きましたが、上の方にあるのは「ケロリン」の風呂桶ですよね。相方はちょっと退いていましたが、私はこういうの悪くないですね。

このように有象無象があるのです。写真には入っていませんが、古いバイクとかも。ご主人、相当、乗り物好きという感じですが、若い頃はブイブイ言わせていたんでしょうねぇ。

さて、ようやく核心に近づいてきました。おしながきを物色します。お茶は普通の煎茶です。2杯目からはセルフで。お水は湧き水でしょうねぇ、冷たくて美味しいです。

手作り感満載のメニューがたまりません。レポート用紙をご活用です。頻繁に入れ替えるのかもしれませんね。どうせならと言うことで、セットものを注文。「もり おまかせ膳」と「あぐー おまかせ膳」。もりそば、炊き込みご飯、お新香、小鉢×3のセット。この日の小鉢は、そば餅、ゴーヤサラダ、ジャガイモの煮っ転がしでした。野菜はすべて自前で朝取りだそうです。

来ました!私は「あぐー おまかせ膳」。アグー豚と舞茸のたっぷり入ったつけ汁が美味い!炊き込みご飯は、釜で炊いているということでお焦げが懐かしい!まずはお蕎麦を召し上がって下さいという店員の女の子(娘さんかな?)のお勧めに従い、つゆを最低限浸けてズズッと。

蕎麦の甘い味わいがしっかりしていますねぇ。これは、まずはつゆなしでいただいた方がいいですね。そのあとに、ちょっとだけ汁を浸けて食べて、あとはもう好きなように。アグー豚がいい仕事していますわ。ちなみに「もり おまかせ膳」の方は冷たいつゆです。このつゆは、相方にも好評でした。

小鉢の方はどれもしみじみ美味しいんですが、そば餅!最初から気になっていて単品を頼もうかと思っていましたが、付いてくるならということでまずは味見。う~む、ねっとりとした中に蕎麦の味わいがしっかりと、これは珍品ですね。上に載っている薬味も合いますね。ちなみに「揚げ蕎麦」というのもあり、そちらは次回のお楽しみという感じです。

おおかた食べ終わるというところでご主人登場。隣の卓の人と親しくお話しされていましたのでお知り合いかと思いましたが、どうやら誰に対してもそんな感じのようですね。気さくなご主人です。楽しくお話しできますが、お蕎麦はご主人担当、調理は奥様のご担当のようですね。私の想像があたりなら、親子3人で切り盛りしている、そんなお店のようです。

いやはや満足しました。蕎麦のレベルはなかなかです。もりを単品で頼む人も多く、さっと食べて出て行くので、そういうお店なのでしょう。このあとは、ぜひ途中にあった豆腐店に寄って下さい。それについては別の機会に。

 

 

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