レッツノートのHDDを交換する

愛用のレッツノートCF-Y7AのHDDが逼迫してきた。MyLet’s倶楽部仕様で、容量は160GBもあったのだが、仕事と私用の兼用で、最近はデジタル一眼レフで撮った写真も大量にため込むことから、あっという間に空き容量が数GBというところまで来てしまった。そこで考えるのが、HDDの換装である。幸い、以前に使っていたCF-Y2Dに比べれば、HDDの換装は10倍以上の手間の開きがある。HDDも安くなってきているので、さっそく試みた。

パナソニック レッツノートライトY7(Core2Duo低電圧版L7800、Vista Business 、無線) CF-Y7DWJNJR これはY7D。

どうせ換装するなら、できるだけ大容量のものがいい。そこで、所用で出向いた秋葉原で、容量と価格をチェック。レッツノートのHDDが2.5インチのシリアルATA仕様なので、そこに絞って探す。メーカーは、できれば日立GSTがいい。そうも、WDやSGとは相性が悪い。東芝もそうだ。もとから入っていたものも、日立のものだ。

容量は、320GBまである。これだと倍だ。だが、ラインナップはあるが価格表示がない。これはどうやら品切れのようだ。この下は250GBモデルだ。現行のものに90GBプラスと、やや中途半端な気もするが、当面はこれでしのげそうだ。ヤドカリのように、中身が大きくなったら、殻を脱ぎ替えるのだ。ただ、250GBモデルでも、5,400回転のものと7,200回転のものがある。現行のものは5,400回転で、ほぼ標準的なものだ。ずっと前に、7,200回転モデルが初めてHGSTから登場したときに記事にしたが、そのときは高くて手が出なかった。少なくとも、回転速度だけ見れば1.3倍の開きがある。値段の開きはと見ると、1.6倍だ。これは考えどころだ。ただし、5,400回転モデルはキャッシュが8MB、7,200回転モデルは16MBだ。どれほど効くかわからないが、これも考慮に入れた方がよさそうだ。

というわけで、最終的に選んだのは、日立GSTの2.5インチ、シリアルATA、7,200回転、キャッシュ16MB、容量250GBというものだ。型番は、Travelstar 7K320シリーズのHTS723225L9A360というものだ。Amazonでは画像が見つからなかったので、メーカーの製品ページへのリンクを貼っておく。

日立GST Travelstar 7K320(250GB/SATA3G/7200rpm/16MB) HTS723225L9A360

Travelstar 7K320

HDDが手に入れば、次に考えるのはこのHDDにどのように現状の環境を移すかということだ。幸い、これについて悩むことはほとんどなかった。まず、USB接続のHDDケースを用意する(これは手持ちのものがあった)。たとえば、こんなものだ。

玄人志向 GW2.5AI-SU2 [2.5型SATA-HDDケース] クロムシルバー 玄人志向のアルミケース。

実際の手持ちのものはちょっと違うが、シリアルATAの2.5インチ仕様のものなら、何でもよいのだ。これに、買ってきたHDDを装着する。そしてレッツノートに接続し、きちんと認識されることを確認する。

すると、あとはデータを移せばよいことになる。ちょっと前なら、新しいHDDを本体に装着してシステムをリカバリし、そこに古いHDDからデータをコピーする、といったことをしていたのだが、今は便利なツールがたくさんある。このひとつがシマンテックのNorton Ghostであったが、シリアルATAにもUSB HDDにも対応していないので、今ではほとんど使い道がない。そこで、よいツールがないか探したら、フリーウェアにもかかわらず優秀なEaseusのDisk Copyというそのままのツールがあった。

EASEUS Disk Copy: Free Disk Copy, Disk Clone, Partition Copy Software. Sector by Sector for hard drive backup freeware..

このツールは、HDDをセクタ単位でコピーし、完全な「クローン」を作ってくれるのだ。しかも、USB HDDにも対応しているという優れものだ。さっそくダウンロードし、試してみることにする(もちろん、データのバックアップはしっかりととっておく。これが重要)。プログラム自体はブータブルCDとして起動するように作られていて、ダウンロードしたISOイメージを、CD-Rなどに焼く。これで準備完了だ。

CD-Rから起動すると、「ディスク丸ごとコピーか?それともパーティションのみか?」と英語で聞かれる(そう、このソフトはオール英語だ)ので、今回の目的では「ディスク丸ごとコピー」すなわち「Disk Copy」を選択する。このまま進んでいくと、コピー元のドライブとコピー先のドライブを選ぶようになるので、間違えないように(ここが重要)選択する。間違えたら、データがすべてなくなってしまうこと可能性がある。というか、ほとんどの場合なくなる。

今回のように、コピー先のHDDの方が容量が大きい場合には、大きい分が未使用領域となる。あとでここに新規にパーティションを作成してもいいし、既存のパーティションを拡大してもいい。

コピーには、容量によってはすごい時間がかかる。160GBだと2時間以上かかるので、セットして寝てしまうのがいい。朝にはコピーが完了しているはずだ。特にエラーなどが報告されていなければOKである。そのままプログラムを終了すれば、コンピュータが再起動する。ただし、ディスクの交換を行わなければならないので、再起動をキャンセルし、電源を落とす。このあと、電池を外し、ACアダプタのコードも外して、HDDを交換する。ドライバーでカバーを開けてHDDを取り出し、交換後に元通りに収めるという簡単なものだ。

さて起動する。果たして無事起動するだろうか。こういったどきどきも関係なく、Windows Vistaは問題なく起動した。HDDのスペックがアップしているせいか、心なしか起動がスムースなような気がする(本当に、気のせいかも知れない)。いつももたつき気味のステップも、少し軽快に通過したようだ。

起動後、「コントロールパネル」-「コンピュータの管理」-「ディスクの管理」を開いてみると、確かに80GBほどの未使用領域がある。ここをどう使うかだが、今回はシステムパーティションをそのまま拡張してしまうことにする。Windows Vistaには、このような機能が最初から備わっているので、面倒なことを考えずに済む。これまでなら、そういったソフトを使う必要があった(上記のEaseusからも、Partition Managerというものが出ている。Windows Vistaなら「ディスクの管理」で「パーティションの拡張」を選べば、あとはどれほど拡張すればよいか指定しておわりだ。再起動の必要もない。

これだけで済んでしまうので、少々あっけないような気もしている。手間が少ないのはいいことだが、夜中に帰宅して作業を始めて朝には終わっているのだ。以前なら、休日に一日がかりであった。

なお、7K320は、回転速度を挙げるために高トルクなモーターを使用しているのか、軽い振動がある。ただしこれも手を当ててみると「ブーン」という程度の心地よい振動が伝わるのみなので、気になるものでもない。使用感は、非常に快調である。

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