プチ旅行―一都三県の旅(4)

一都三県のプチ旅行、昨日は帰路である「高崎」から「八王子」間の、高崎駅を八高線で出発するあたりまでを書きました。今回は最終回として、「たまプラーザ」に帰るまでを書きます。

八高線は、群馬県高崎駅と東京都八王子駅を結びますが、埼玉県高麗川(こまがわ)駅までは電化されていないため、気動車(ディーゼル車)での運行となります。

JR キハ111系車両(JR KiHa 111 Series)

キハ111のドアスイッチです。ランプ点灯中にボタンを押すと、ドアが開きます。車内にも同様のスイッチがあり、車内からは開閉できます。八高線では、非電化区間、電化区間にかかわらず、ドアはこのように半自動です。これは、ワンマン運転に対応するためと、冷暖房の効果を保持するためです。

JR キハ111系のドアスイッチ(Door Switch of JR KiHa 111 Series)

発車直後は、ディーゼルエンジン特有の大きな音を立てて徐々に加速していきます。その振動が少し心地よいです。速度が乗ったら、惰性で進みますが、その間は静かです。速度が落ちてきたら加速し、といったことを繰り返して進むのがわかるのが気動車の醍醐味でしょう。停車した車両からは、ほのかに重油特有の排気臭がします。

車内にあるこの発券機が何のためにあるのか、とっさに思いつきませんでした。

キハ112の整理券発行機(Ticket vendor in JR KiHa 112 Series)

しばらくは学生の姿も多く、車内のいろいろなところを眺めるために立っていましたが、児玉に近づくにつれて人も減ってきましたので、ロングシート座席に座りました。シートが異様にふわふわしているのも、この車両の特徴です(「鉄子の旅」より)。

それにしてもこの感覚は何でしょう。いつも使っている通勤電車とは、明らかに時間の進み方が違う、この感じは。当たり前といえば当たり前なんですが、駅間の長さ、周囲の風景、線路のつなぎ目を超えるときのリズミカルな音、車内の静けさ、そんなものが全部重なって独特の状況を作っているに違いありません。

高崎で買い物をしたのか、野菜などの入った大きな袋を抱えて、こっくりこっくり船をこいでいる人がいます。本を広げたままこっくりこっくりしている人、通勤電車でも見られる風景ですが、何か時間の流れが違います。

児玉駅で、対向列車待ち合わせで停車したため、ホームに下りて撮りました。なんてことないですけど、単線ならではの楽しみです。

JR八高線児玉駅(At JR Hachiko Line Kodama Sta., Japan)

小川町駅でボックス席が空いたので、席を移動しました。空いた車内で、ボックス席を占有するのは贅沢なものです。しばらく、進行方向から流れる風景を楽しみします。途中から、ハイキングの帰りと思われる少年少女の集団が乗り込んできて、相席となります。少年の一人がいきなり鼻血を出したりというハプニングもありましたが、揺られること1時間20分強。ようやく高麗川駅に着きました。

八王子~高麗川間は、駅名表示も電灯式でキレイです。上の児玉駅と比べて下さい。ちなみに高麗川駅の「高麗川」は、あたりを流れる一級河川高麗川に由来します。この川の名前も、「高麗郡」に由来し、大昔に朝鮮半島の高句麗からの亡命者を受け入れたという謂われがあります。

JR八高線高麗川駅(At JR Hachiko Line Komagawa Sta.,Japan)

高麗川駅では、接続がいまいちで、30分ほど時間を潰さねばなりません。もちろん、車両や駅の写真を撮ったりして過ごします。ほかにも同好の士はいるようです。小学生ぐらいの子供が真剣に写真を撮っているのを見ると微笑ましく、昔の自分を思い出します。

高麗川駅で、JR キハ111-209(八高線)とクハ205-3001(川越線)のツーショットを撮りました。高麗川は、八高線と川越線の分岐駅でもあります。

JR八高線と川越線のツーショット(Twoshot of JR Hachiko Line and Kawagoe Line at Komagawa Sta., Japan)

降車ホームである2番線は、そのまま折り返しの高崎行きになります。もうそろそろよいだろうというところで、連絡地下通路を通り、1番線に回ります。3番・2番線から1番線に移るための地下通路です。よく見ると、壁に鳥や花の絵が描いてあります。1番線には、ハイカーの老人の集団、その他の方々がホーム一杯にいて、果たして全員乗り切れるのだろうか?と不安になります。

JR八高線高麗川駅の連絡地下通路(At Connection Passage of JR Hachiko Line Komagawa Sta.,Japan)

1番線ホームに上がりました。八王子行きは15:26発ですが、現在時刻は15:07です。まだ20分も待たなければなりません。ちなみに、1番線に八高線車両がいるときには、川越線は3番線の発着となります。

JR八高線高麗川駅(At JR Hachiko Line Komagawa Sta.,Japan)

高麗川駅に入線してきた八王子行きの車両(205系3000番台)です。高麗川~八王子間は電化されています。205系は、山手線で使用されてきた車両ですが、八高線に投入されるにあたり改造が施されています。

JR八高線205系3000番台車両(JR Hachiko Line 205 Series 3000)

改造のひとつ、3000番台には、ドアスイッチが装備されています。ランプ点灯中に押すと、ドアが開きます。車内にも同様のスイッチがあり、車内からは開閉できます。

JR 205系3000番台車両のドアスイッチ(Door Switch of JR 205 Series 3000)

JR 205系3000番台(JR 205 Series 3000)

高麗川~八王子間は3両編成でしたので、普通に皆さんが乗れて座れました。私も座ることができたのですが、車内の行儀の悪さは何でしょう。花から花へ飛び回るミツバチのように席を移り回る老人たち、席に座っていない子供たち、注意もしない親たち。半自動式のドアを開けっ放しで放置するおばさまたち。電化区間と非電化区間の違いに唖然としたのでした。

乗ること45分ほど、八王子駅に着きました。ここで、JR横浜線東神奈川行き各駅停車に乗り換えます。横浜線まで来るとほとんど日常で味気ないので、写真などは撮っていません。

JR八王子駅の横浜線連絡橋にて(At Connection Bridge of JR Hachiouji Sta., Japan)

長津田まで30分強、そして東急田園都市線に乗り換えて10分、17時ちょい過ぎ、たまプラーザ駅に到着し、スタート地点に戻ります。朝の10時に出発し、約7時間の旅でしたが、久しぶりの電車三昧で、満足しました。

これを機会に、ローカル線の旅に目覚めてみたいと思います。ですが思ったのですが、往路の高崎までに対し、帰路がどうも味気なかったのです。のんびりしていて、車両の写真などを撮ったりして楽しいは楽しかったのですが、やはり同行者がいればもっと楽しいと思うのです。

というわけで、ローカル線の旅を付き合ってくれる方を募集します。そういう奇特な方(女性歓迎)は、このブログのどこかにあるメールアドレスまで!

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