ファンが回ってないぜ。

引き続き、家人が専用のPCの調子が悪いとぼやく(このPCについては、組み立て記を参照)。何でも、3Dの表示がおかしい(テクスチャが落ちる、妙なディザリングが入る、いきなりブラックアウトする、変な音?がするなど)という。PCの調子が悪いときは…。で書いたようにオーバーホールで一時は難を逃れたこともあり、の手の話は面倒になることが多いので巧妙にはぐらかしていたが、どうやら母の日の都合上、そうもいかなくなってきたようだ。

原因がビデオカードにあるのはわかっていたが、最悪交換という事態を忌避するために、内蔵(オンボード)のVGAで済ますよう進言。大幅にパフォーマンスが落ちるのだが、出費には代えられないと見たか、ぶちぶちいいながらも使い続けていたようだ。しかし、原因がわからないのは気持ちが悪いと、改めて調査を依頼されたわけである。

ケースを開けて点検。使用後、ビデオカードのヒートシンクが異様な高温になる。CPUのヒートシンクもこうまではいくまい。もしかしたらファンが回っていないのではと思い、ファンを取り外し、外から見えるようにして(残念ながらカードを装着した状態ではファンは見えないし、微妙な回転音や空気の流れまではわからない)、ファンの回転を確かめる。異様に遅い。回ってないわけではないが、回転がスムーズでない。手でちょっと回すと、焼き付きを起こしたファンの典型的な症状が出る。これは、交換しかない。

ビデオカード本体に問題がないようなら、これはラッキーだ。さっそく、交換用のファンを探しに行く。といっても、ドンピシャのものがあるなんて、最初から期待していない。うまく、代用品があればいいな、という程度である。

近くのPCショップ(どんどん減って、今ではほとんど一軒になってしまった)で物色するが、あるのはCPUファンか、ケースのファンのいずれかのようだ。サイズ的に適合しそうなケース用の薄型ファンを購入する。値段は、1200円ちょいである。このときは、あまり装着について深く考えなかったが。

ビデオカードのヒートシンクには、羽根がすっぽり入るぐらいの円形のくりぬきがある。そこにぴったりはいるファンがあればいいが、それはほとんど不可能なので四角形のファンをヒートシンクにねじ止めすることを考える。しかし、ケースに装着することを想定しているそのファンの付属ねじは、ケースから穴を開けてファンをねじ止めすることを想定しているので、ファンからねじ込んでヒートシンクに止める、などということは想定していない。文章ではわかりにくい話だが、写真をうっかり撮り忘れたのだ。

結局、ファンの厚さよりも長い木ねじを使って、ヒートシンクの放熱フィンの間にねじ込むことでファンを固定することに成功した。あとは、もくろみどおりに放熱効果を発揮してくれればいいわけだ。電源は、幸い5V/12Vの電源コネクタから取得できる。分岐用のコネクタも付いている。ファンの中には、マザーボード上のコネクタに接続することを意図しているものもあり、この場合には埋まってしまっていることが多いので要注意だ。

現在熱中しているものには、ベンチマーク用のプログラムが付属しているので、これでテストを行う。XGAのウィンドウをSXGAの中に表示し、フル3Dモーションを数時間実行したが、問題は発生しないようだ。だが、熱風が吹き荒れるケース内部を改めて確認し、負荷のすさまじさを体感する。CPUの放熱がさほどではないのは、CPUはこういう場合たいした仕事をしていないのだろう。

あとは、ビデオカード本体がおシャカにならないことを祈るばかりだ。なんだかんだで、もっとも高価なパーツである。ハイエンドのCPUより高いのである。PS2でやってくれないかな、と思うことしばしばである。ビデオカードの半分の価格で、本体一式が買えるのである。つくづく、PCとは高くつくものであるなぁ。

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