SynologyのNASを導入しました(設定編その3—共有フォルダ作成)

Synology NAS(DS420 Plus)の設定を続けて行っていきます。

SynologyのNASを導入しました(設定編その2—ボリューム作成)

今回は、共有フォルダの作成です。

事例としては、Time Machine用に作成したボリュームに、Time Machine用の共有フォルダを作成します。

共有にはアクセス制御を行いたいので、まずはTime Machine専用のユーザーを作り、そのあとに共有を作ってそのユーザーに読み書きの権限を与えます。

DSMのデスクトップから、[コントロールパネル]をクリックします。

「コントロールパネル」が開いたら、[ユーザー]をクリックします。

ユーザーの一覧になります。adminとguestはビルトインアカウントで、最初から存在しているアカウントです。ステータスの欄に、赤字で「無効」と表示されているとおり、有効にしないと使えないユーザーです。administratorは、DSMのインストール時に作成した管理用のアカウントです。

ユーザーを作成するには、[作成]をクリックします。

プルダウンメニューが出ますので、[ユーザーを作成]をクリックします。

ユーザー情報を入力します。重要なのは名前とパスワードです。説明はオプションです。名前はtimemachineuserとしました。その他はデフォルトのまま変えません。

グループの結合とありますが、要は作成するユーザーをどのグループに所属させるかという設定です。administrators、http、usersいずれもビルトイングループです。administratorsグループは管理権限を持つユーザーのためのグループ、httpはHTTPによるアクセスを行うユーザーのためのグループです。usersは一般的なユーザーが嘱するグループなので、デフォルトのままusersのみにチェックが入った状態にします。Time Machineアクセスのために管理者の権限は不要です。

共有フォルダに権限を割り振るのですが、まだ共有フォルダがないので何もすることはありません。共有フォルダを作成したあとにアクセス権の設定を行います。

ユーザー割り当て(クォータ)の設定となりますが、共有がないので何もすることがありません。

アプリケーション機能の割り当てですが、作成するアカウントがいずれのアプリケーションも使用しないので、何もしません。

ユーザーの速度制限設定となりますが、いずれのアプリケーションも関係ないので、何もしません。

作成するユーザーの内容が表示されますので、問題なければ[適用]をクリックします。

Time Machine用のユーザーtimemachineuserが作成されました。

ユーザーの作成が終わりました。

次は、共有フォルダを作っていきます。[共有フォルダ]をクリックして、[作成]をクリックします。

プルダウンメニューが出ますので、さらに[作成]をクリックします。

共有フォルダの基本的な情報を設定します。「名前」は共有フォルダの名前で、あらゆる場所で使われますからしっかり考えて決めます(作成後は変更できません)。「説明」は任意です。「場所」は共有フォルダを作成するボリュームです。そのほかはデフォルトのままにしました。デフォルトだとごみ箱機能も有効になっていますが、Time Machine用の共有なら不要かも知れません。作成後に設定を変更できます。

詳細設定とあります。ここも基本的にはデフォルトです。[高度な〜]を有効にするとデータのチェックサムを取るなどしてファイル内容の正当性が担保できるようになりますが、それなりの負荷もありますので、普通はいらないでしょう。[共有フォルダの割当て〜]とはクォータのことで、その共有フォルダが使える上限の容量を指定できます。0にしておけば上限なし(=ボリュームの容量)となります。

暗号化の設定です。機種によってはフォルダ単位での暗号化をサポートします。漏れては困るデータを格納するなら暗号化が望ましいのですが、制約が結構キツいのでよく考えましょう。制約の大きなものは、ファイル名の長さが制限されることです。日本語ではたった47文字に制限されるので、ちょっと長いファイル名だと拒否されます。いろいろ試行錯誤した結果、やはり暗号化は止めようという結論になりました。なので、デフォルトのまま進みます。また、事例のようにTime Machine用とするなら暗号化はMacの方でできますから、こちらの暗号化は不要です。

作成しようとする共有フォルダの確認です。問題なければ[適用]をクリックします。

この事例では指定しませんでしたが、暗号化を有効にすると[適用]のクリックで以下のような警告が表示されます。ファイル名の長さもそうですが、暗号化キーを忘れるとデータがパーになります。暗号化によって秘匿性は高まりますが、データ消失リスクは向上しますのでよく天秤にかけましょう。

これで共有フォルダが作成されました。アクセス権を設定する必要があるので、このまま[編集]をクリックします。

[権限]タブをクリックして、ユーザーtimemachineuserに読み書きの権限を与えます。チェックしたら[OK]をクリックします。

これで、timemachineuserユーザーが読み書きできる共有フォルダTimeMachineが作成できました。通常の共有フォルダにもそのまま適用できます。

なお、共有フォルダをTime Machine用として使うには、共有フォルダの設定以外にNASそのものにも設定が必要になります。これはmacOSユーザー以外には無用のお話ですので回を改めて次回にします。

SynologyのNASを導入しました(設定編その4—Time Machine)

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