通勤電車はストレスがいっぱい(2)―ドア点検

遅い仕事を終えての帰宅電車、下車まであと一駅というところで、急に電車は停車した。おおかた、前を走っている急行が遅れてるんだろ程度に構えていたら、車掌のアナウンス。

「ドア点検を行うため、しばらく停車します。」

ドア点検?そういえば、朝の電車が遅れる理由の一つに、この「ドア点検」をよく聞く。「ドア点検」で、10分以上の遅れが出るのだ。いったい何をやっているのだろうか?よく聞く割には、実際に何が行われているのかは見たことがない。何となくもやもやしているところに、今回の事象に出くわしたわけで、こんな状況でも「ラッキー!」と思ってしまう自分が情けない。

私のイメージでは、「ドア点検」とは、怪しいドアの周りに駅員や関係者が群がり、異常がないか点検、異常があれば対処する、とものを持っていた。まだホームにいる電車に、ホーム側から点検しているイメージだ。ドアが閉まらなくなったとか、開かなくなったとか、そんな状況を想定していた。だがそれは違うようだ。

今回は、すでに発車しており、電車のわきにはホームはない。しばらくすると、何かを叫びながら走り回る乗務員の姿が見える。先頭車両の方から来たので、おそらくその人は運転士であろう。同じように、後尾車両の方からは車掌が来ているのであろう。二人は、中央部で鉢合わせし、状況を報告し事後を打ち合わせ、また戻っていくのだ。

で、何を彼らはしているかというと、本当に「ドア点検」をしているのである。すべてのドアについて、片っ端から開けようとする動作を繰り返し、実際には開かないことを確認するという作業を行っている。

なんだ、本当に「ドア点検」しているんだ!

どうやら、車掌室には「ドア異常」のシグナルだけが行くようで、それが出ると車両は運行を中止し安全を確認しなければならない、といった決まりがあるのだろう。どこのドアかはわからないので、逐一確認しているということだろう。本当にご苦労様という感じだ。もう慣れっこになっているのか、文句を言う人もいない。○上線や京○線などの他の沿線に比べれば比較的おとなしめの人が多いのだが、やれやれという顔つきはあるが私を含めて「またか、しゃあないね」といった感じなんだろう。

しかしこのドア点検、今回は深夜帯でしかも乗客が少ない状態だからよかったものの、朝のラッシュ時には想像を絶することが想像される。何しろ、車内を巡回し、一つ一つ「ドア」を「点検」していくのだ。乗客の静かな非難の視線を浴びながら、安全に運行させ、ルールを守らねばならない乗務員の人には本当にご苦労様と言うしかない。「またか」とか思っても「まさか」を思って、確認作業を端折るわけにもいくまい。

これからは、「ドア点検で遅れています。」という知らせでも、その背後にあるものを偲んでいかなければなるまい。それ以前に、何の異常もないのに異常を知らせる状況が、何かおかしいのではないかと思うのだが…。いたずらか、それとも…?

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