ドライブレコーダー装着記、後編です。最後は、アプリケーションです。
前編:スバル車に純正ドライブレコーダーを装着してみた(前編)
中編:スバル車に純正ドライブレコーダーを装着してみた(中編)
DR Viewer S16
専用ビューワの名前は、DR Viewer S16というものです。付属のSDカードに入っていますし、ダウンロードしてインストールすることもできます。このアプリでは、主に以下のことができます。
- ドラレコ本体の設定
- 記録した動画のバックアップ(保存)
- 記録した動画の閲覧
ドラレコ本体の設定については、中編でも触れました。このドラレコは、本体単独で設定を変更できる機能はなく、このようにアプリを通じて設定を変更する必要があり、少々不便といえば不便です。
バックアップですが、あらかじめ設定してあるフォルダに、現在の日付と時刻からなる名前のフォルダを作成し、そこに「トリップ」と「チャプター」単位でコピーできます。メモリーカードの中の動画は、いずれは上書きされて消えてしまうので、保存が必要なら適当なタイミングでバックアップしておく必要があります。
「トリップ」というのは、エンジンONからOFFになるまでを単位とした動画を意味します。「チャプター」は個々の動画ファイルに相当します。ドラレコの動画記録というのは、一定サイズの小さな動画ファイルをいくつも作るという方式で行われており、この機種では36MBです。リアビューカメラ録画付きの高画質モードでは、1分弱の記録時間に相当します。この1ファイルが、チャプターです。
最後の閲覧機能がメインの機能といえば機能でしょう。DR Viewer S16は、再生中の車両位置をGoogle Maps上に表示させることができるのがポイントです。また、速度やG(加速度)もグラフで表示されます。メモリーカードの中の動画を観るか、バックアップしておいた動画を観るか、選べます。
起動してみる
インストールが済んだら、さっそく起動してみましょう。起動すると、なぜかダウンロードの確認の画面が出てきます。何をダウンロードするのだろうと思ったら、日本全土の地図です。「開く」を選ぶとWindowsの機能で画像が表示されるだけですし、「保存」を選べば「ダウンロード」フォルダに画像が保存されるだけです。はたして何の意味があるのでしょう?という疑問を抱えたまま、最近は「キャンセル」でこの手順を吹き飛ばしています。
説明書には、この地図が起動後の初期画面に表示されていますので、そこに使うのかも知れません。ただし私のDR Viewer S16では、なぜか説明書のとおりの初期画面になりません。
まず最低限の設定
こいつが(私の環境の)初期画面です。まぁ至ってシンプルです。というか何もありませんね。
まずすべきことは、「設定」メニューから行える、「本体設定」と「バックアップ保存先」です。「本体設定」ではドラレコ本体への設定を、メモリーカードを経由して行いますが、私は「高画質モード」「リヤビュー(RV)カメラ録画」「駐車時記録ON」にカスタマイズし、さらにブザー音量を「動作音」と「操作音」だけ「大」で、「カード未挿入エラー」「駐車記録通知音」は「小」にしています。逆じゃないの?と思われそうですが、「ピッ」で済むものなら大きめでもいいですが「ピーピッピッピッ」と何回も繰り返されると、かなりうるさいです。
「バックアップ保存先」は適当なフォルダを選びます。初期状態では「ムービー」フォルダですので、その下に適当なフォルダを作るなどしておきましょう。なお、バックアップ保存先は、ネットワークドライブや共有フォルダは使えません。選べることは選べますが、実際に保存/閲覧しようとすると、「ファイルが見つかりません」と言われます。動画ファイルはなんだかんだで大きいので、できればNAS(ネットワークドライブ)に保存しておきたいのですが、それはローカルに保存後に移動するなどの手間が必要なようです。
メモリーカードから動画を読み込む
設定が済んだら、メモリーカードから動画を読み込んでみます。「ファイル」メニューから「開く」を選んで「カードデータ」です。メモリーカードの刺さっているドライブを選ぶと、しばらくすると右上に「トリップ」と「チャプター」の一覧が出てきて、勝手に再生が始まります。つまり、これが基本画面です。
画面にはいろいろな要素がありますが、配置は自由にはならないようです。右下のGoogle Mapsだけは例外で、メインのウインドウから切り離して大きくすることもできます。また、再生画面はフルスクリーンにもできます。
動画を保存する
必要な動画を保存してみましょう。「バックアップ」メニューから「バックアップ」を選ぶと、トリップとチャプターの一覧が出ますので、保存したいトリップおよびチャプターにチェックを入れてOKします。設定した、バックアップ保存先のフォルダに保存されます。記録時間にもよりますが、数時間撮ればギガバイト単位ですので、気長に待ちましょう。なお、「ファイル」メニューの「保存」でも同じことができます。というか、なぜ分かれているのか不明です。
Google Earthで表示
DR Viewer S16は、Google Earthで使えるKMZ形式のデータを出力できます。このファイルをPC版のGoogle Earthアプリで読み込むと、軌跡を表示させ、リアルタイムにクルマを移動させることができます。同じようなことはGoogle Mapsでもできますので、使い勝手のよい方を選ぶとよいと思います。
イベント記録
一定以上の衝撃を検知すると、イベントとして動画が保護されます。衝撃というのは、何もぶつかったとかそういうのに限らず、一定以上のGを検出したという基準で判断するらしいです。Gの感度は調整できますが、まずはデフォルトで使ってみました。前車が急ブレーキをかけてこちらも急ブレーキをかけるはめになった、というようなケースは「ピッ」という音とともに保護されます。また、駐車時記録をONにしていると、リアハッチや助手席ドアのクローズ等でも反応しますので、少し感度を鈍くしておいた方がいいかもしれません。
保護された動画は、「イベント」タブから観ることができます。衝撃を検知したタイミングは、赤丸で囲った部分のようにマークされます(この動画では単なる急ブレーキ)。
なお、保護された動画は自動で削除されます。マニュアルによると、10件保護されるようで、古いものから自動的に削除されるようです(自動記録と、本体操作による手動記録は別なようです)。私は、削除する方法をしばらくの間探していましたが、自動で削除されるとわかって安心しました。
ドライビングレポート
おまけのような機能ですが、「ドライビングレポート」という運転評価機能も付いています。私の評価は、下記画像をご覧ください。何と、「100点」です。ウソだろ~という感じがしますね。タマに99点とか98点に下がりますが、どんなときだろ~と思い起こすと、思いつきません(笑)。ちなみに、同じ100点でも、「ゴールドドライバレベルです。そのまま維持して下さい。」「最高ランクの運転です。みんなに自慢できる運転技術です。」「理想的です。そのまま維持しましょう。」というようにメッセージにバリエーションがあります。点数が違っても同じメッセージのときもあります。あまり真剣に捉えないようにしましょう。
スマホ連動
最後に、高い方ははWi-Fiに対応していますので、スマホで動画再生することも可能です。現場で動画を再生できた方がいいようなシチュエーションもあり得るので、この設定も行っておいた方がいいですね。説明書にWi-FiのIDとパスワードが印刷されたシールが貼り付けられていますので、それをスマホに登録すれば完了です。AndroidでもiPhoneでも可能です。
ということで、3回にわたって、スバル車の純正ドライブレコーダーについて書いてきました。適当に使っているとわからないことも、いざ記事にしようとすると調べてわかるから少しは役に立つようです。ちなみにこのドラレコは富士通テン(デンソーテン)のDREC4000の後継機種のようですね。本家の方には、なぜか相当する機種がありませんでした。そのうち出てくるのでしょうか?
コメント
起動時のダウンロード画面を出なくする方法を読者の方からいただきました。DR Viewer S16のショートカットのプロパティで、「管理者として実行」をONにすればよいようです。確かに、ダウンロード画面は出なくなりました。その替わり、バックアップ先フォルダの設定をやり直す必要があります(別ユーザとなるため)。情報をいただきました方、ありがとうございます。
音声はきちんと拾えますか?とのお問い合わせをいただきましたので、ここでコメントさせていただきます。グローブボックス装着になってカバーされてしまうため、正直なところ音声は明瞭とは言えません。大きめの声を助手席側で発したものは、そこそこ拾えていると言えましょう。キャビン内の音よりは、ロードノイズなどの方を大きく拾ってしまうようです。ちなみにETCとの干渉があるかということですが、そういう話はディーラーさんでもまったく出ず、ほぼ無条件にグローブボックス装着となりました。Panasonicのものを運転席側の専用スペースに設置したからかもしれません。